コーヒー一杯分の恐怖
渋谷ヨル
コーヒー一杯分の恐怖
田中直樹はコーヒーが好きで暇がれば、喫茶店によく足を運ぶ人であった。その日も家を颯爽と出て、いつも通りカフェに立ち寄った。彼にとって、仕事が始まる前のコーヒーの一杯を飲むことが日々のルーティンだった。
しかし、その日はなんだがおかしかった。コーヒーを一口飲んだ瞬間、田中直樹はコーヒーの味に違和感を覚えた。なんだが、いつもと味がおかしい事に。突然、彼の目の前が歪み始めた。視界が暗くなり、耳鳴りがした。かと思うと、突然渋谷にあった喧騒が’消えた。街に出てみれば恐ろしく静かな渋谷、空も全体的に暗くなんだか奇妙な世界に迷い込んだ気がした。
その日、仕事中に感じた違和感が再び蘇った。周囲の人はいつもと見る人の顔ではなく、全く知らない人の顔だった。さらにはいつも目にする犬や猫、鳥たちの姿がなかった。そして同期や先輩も何処かへ消えてしまったのかいなかった。
田中直樹は恐怖心に囚われ、会社を出たがもう遅かったのだ。この世界はもう自分しかいないことを。
コーヒー一杯分の恐怖 渋谷ヨル @aru_sann02
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