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『つづいての動画はこちら! 空飛ぶ謎の光!?』
夜中、僕が自宅で学校の課題をこなしていると、なんとなく付けていたテレビがそんなことを言っていた。よくある、ネットでバズってる動画を寄せ集めただけの下らない番組だ。
しかし内容が内容なので僕はテレビを見る。古代生物の教科書を読んでいたジュラも顔を上げる。
番組では確かに夜空を征く光の線が紹介されていた。どこか外国から投稿された動画のようで、タレント達が大げさに驚いたり怖がったりしている。
「なぁジュラ、今映ったのも宇宙人なのか?」
僕は問う。
「いや、今のは違うだろう。大方、本物の流星か人工衛星、もしくは動画を加工編集したものだな」
「そうか」
まぁこういう番組が扱うネタなんてその程度だろう。
そう思っていたがしかし、『つづいても! ついに目撃されたUFO!?』という煽りで紹介された別の動画を見て、ジュラは言う。
「ほほぅ。今度のは本物の地球外の生き物だな」
「えっマジ?」
「大マジだ」
ジュラ曰く、ガチモンの宇宙人が映っていたようだった。放送事故では?
「まぁこの辺りを通過する者どもは多いからな、人間の目に留まってしまう者もあろう」
どうやら地球周辺は交通量が多いようだ。首都高みたいなものなのだろうか。
ジュラに可能なら、地球周辺の宇宙人を追い払ってもらいたいものだ。害はなくとも、自分たちの上空に宇宙人が飛んでいるという事実が気持ち悪い。もし何かの拍子に彼らが地球に牙を剥くかもしれないと考えると、なんだか常に喉元に刃を突き付けられているような恐怖を覚える。
しかし、今のところは何も起きていないわけで。無害なジュラが無害だと断ずるのなら、僕もそれに従うほかなかった。
いや、ジュラは無害じゃないな全然………実害でまくり。
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