・下着ドロ、コギ仙人にエッチを習おう!
「こ、子供を作ろうとしたことない人が、処女だよー!」
「そうなんだ! じゃあ俺もしょじょなんだね!」
「いや違うしぃぃーっっ!!」
「うぐっっ?!!」
いきなり鋭いチョップを胸に入れられた。
エッチって複雑で難しい……。
エッチって専門用語があまりに多すぎるよ……。
「ああああごめんっ、変なこと言うからガチでつっこんじゃったじゃんっ!」
「こっちこそごめん……」
「はーー、調子狂うー……」
「あの、最初の質問に戻すけど、エッチってどうすればいいと思う……?」
「だから処女って言ってるのに……うーん、そうだなぁー……。手を繋いで一緒に寝るとかー?」
「あ、それでいいのっ!?」
「た、たぶんね……っ?」
それならできるかもしれない。
あれ? でもそうなると、俺ってシルバと知らないうちにエッチしてるってこと?
「あ、あと……っ、一緒に水を浴びるとか……裸でさー……っ?!」
「えっ、裸で!?」
「と、当然でしょーっ!」
そうか、そうなんだ……!
裸になるのは恥ずかしいけど、一緒に水浴びするだけでエッチになるんだ……!
「あっ、あとね、アトロが持ってた本だとー、ひざまずいて相手の足を舐めたりしてたよーっ! ……なんか女の子同士で」
最後だけよく聞こえなかったけど、なるほど!
でも足なんて舐めて何が楽しいんだろう……。
「ありがとう、やってみるよ!」
「え……えーーーっっ?! ちょ、ちょいまち!! やっぱり私責任取れないよー!!」
「ラケシスさんの責任になんてしないよ。まずは足を舐めるやつからやってみる!」
でもいきなりカチューシャさんにする勇気はない。
どこかにいないかな、コギ仙人。
いないならいっそシルバで実験してみよう。
「ひょっひょっひょっひょっ、ワシをお探しかのぅ?」
「ひっ、ガルガンチュアーー……ッ?!」
突然響いたその声を追うと、カウンター席の向こうからコーギーがヒョコリと顔を出した。
そんなに嫌わなくてもいいのに、ラケシスさんは席を立って店の入り口まで逃げてしまった。
「師匠っ、コギ仙人っっ!!」
「助けが、必要なようじゃのぅ……」
「はいっ! でも俺たちなりに考えてみたんです!」
「裸で水浴びか。うむ、悪くないぞい。いっそお風呂で洗いっこもよいかもしれぬぅ?」
そ、そんな大胆な方法が……!?
コギ仙人は尻尾をぶんぶん振って楽しんでいる。
「じゃが足を舐めるのは止めておけ。蹴られるのがオチじゃろ」
「アンタがいつも私らにやってることじゃんっっ!!」
「クゥゥンッ♪ ワシはワンコ、ワンコが足をペロペロして何が悪い?」
「アンタは舐め方が変態臭いのーっ!」
コギ仙人はこんなにいい人なのに、そこまで言うことないと思う。
俺は足下の仙人を抱っこして、テーブルの上に乗せた。
「私、外でミルラママ待つからっ、ソイツ早くどっかにやってよー……っ!」
「どうして? コギ仙人は親切でやさしい人なのに……」
「いや変態だからーっ! 水浴びはのぞくわっ、パンツは盗むわっ、やりたい放題なんだからそいつーっ!」
え、すごい……。
本当にコギ仙人はエッチのスペシャリストだったんだ……。
「パルヴァス」
「はいっ、師匠!」
俺、この人について行こう!
「ワシに秘策がある。お前の部屋で待っておるので、10分ほど経ったらきてくれ」
「秘策ですか! わかりました、いつもありがとうございます!」
「ワヒョヒョヒョヒョヒョ!! うむ、ワシはいい弟子を持ったようだ。待っておるぞい、パルヴァス」
「はいっ!」
すごい変態で、すごい嫌われているのはわかった。
でも今の俺にはこの変態ワンコが必要だ。
足の短いコーギーはうちの階段をウナギがうねるように上っていった。
「はぁー……いいのー? パンツ盗まれるかもよー……?」
「コギ仙人はそんなことしないよ」
「するから嫌われてるんだってばーっ!! あれはパンツと靴下ばっか盗んでく変態なのーっ!!」
「犬なんだからしょうがないよ」
その点うちのシルバはお利口だ。
飼い主として鼻が高い。
「はーーー……。あのね、パルヴァス……あれは犬だけど、犬じゃないの……。正体知ったら軽蔑することになるよー……」
話の着地点が見えないのでテーブルに戻り、自分の分のお茶を飲み干した。
これも世界を救うためだ。
今のうちに気持ちを落ち着かせて、コギ仙人にエッチの技を教わろう。
「うあーーやだーー……同じ建物にアイツがいるって考えるだけでやだー……」
「いい人なのに」
「いい人は下着ドロとかしないからーっっ!!」
ラケシスさんとの水掛け論で待ち時間を消費した。
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