失恋から5日目

 ……それにしても、雅彦はなぜ私をブロックしたのだろう。私のことが“彼女“にバレるとマズイから?


 晴美にメッセージを送り、夜に会って話を聞いてもらうことにした。



 向かったのは気軽に入れるファミレス。私だけでなく、晴美も神妙な顔つきである。


 ドリンクバーからルイボスティーを持ってきて、一口飲む。


「私、雅彦にブロックされたよ」


 私が切り出すと、晴美は困惑した。


「うーん……。ケンカしたの?」


「違う。急にブロックすると言われた」


 私は軽くため息をつく。雅彦が私に恋愛感情を持っていなかったのはもう理解した。でもブロックまでする?


「もしかすると……」


 晴美は言いにくそうだが、なんとしてでも聞き出さねばならない。


「何か知ってるなら教えて!」


 晴美は私の目をじっと見つめる。


「沢田さんってわかる?雅彦さんの友達。半年くらい前、グループで飲んだときにいた」


 あまりパッとしない人だったな。というより、私はあの時から雅彦のことしか見てなかった。


「その人がどうかした?」


 晴美はますます言いづらそうだった。


「1週間くらい前、沢田さんから聞きたいことがあると言われて」


 私が知らないところでどんな話をしたのだろう。


「うーん……。舞のこと聞かれたんだけど……」


 けどの続きが気になる。


「舞は雅樹さんに彼女がいること、知ってるかって」


 ということは、そこで晴美は、雅彦に彼女がいると知ったということ?


 私はゴクリと唾を飲み込む。


「それからなんだって?」


「雅樹さんに彼女いること、舞に伝えたほうがいいかもって」


ーーはぁーっ! 私はファミレス中に聞こえそうなため息をもらす。

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