第25話 ルフ視点
試験が始まって三時間くらい経った頃、受験者の各隊の動きは大きく三つに分かれていた。
普通に試験をこなす隊。危険を察知して外周部へと動く隊。そして、ローとノクスの方向に行く隊。
ローとノクスが通った後は蹂躙されて、モノリスの直線が敷かれるため、その光景を見た多くの隊は二つ目の案に辿り着く。そうしてロボへの戦闘が行われると、隊と隊が接触する。そして、隊同士の戦闘は許可されていないため、当然得点が取りにくくなる。
ダブルツインテールの少女の思考はそこまで達していた。
「私たちはここで籠城戦をしまぁす」
ルフは隊員に自身の結論を告げた。スイと一緒にいる時と違ってその声色は異常に冷たい。
「……なんでですか?」と少し凛々しい『リアニマ:銃』の少女は反感を伝える。
「ロー少佐がなんかぁ、こっちくる気がするのでぇす」
「逃げればいいんじゃないですか?」と少し能天気な『リアニマ:弓』の少女は反論を述べる。
「よく考えてくださぁい。相手はロー少佐ですよぉ。絶対追いつかれるに決まっているじゃないですかぁ」
「試験のことを考えると、来るまでにロボを倒しておいた方がいいと思います」と少し冷淡な『リアニマ:爆弾』の少女は物申す。
「私もそう思ったんですけどぉ、ノクスだけなら多少成長したところで倒せるんですよねぇ。ロー少佐の目的がノクスの成長なら、戦闘にそこまで介入してこないですしぃ、勝てる可能性がグッと上がるんでぇす」
「わかりました隊長!」と能天気な『弓』の少女の声によって隊員はまとまる。
「皆さぁん、罠を設置するときに殺気は放たないでくださいね。気付かれかねないので。あと、スイ先輩のためにも、死んだら殺しますよぉ」
ルフの水色の眼が海水のように広く冷たく光った。
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