第63話 神人
と、言う
「へぇ・・・」
「へ、へえぇえ・・・。 何と言うか・・・。」
うん・・・。 分かります・・・。
俺も、自分で言ってて、無茶苦茶だってのは理解してるんで・・・。
「端的に纏めると。
お主は、神を凌ぐ存在でありながら。
人でも在る存在。
と、言う事で良いのだな?」
「そう言う認識で間違っていないよ。」
「怖い物なしじゃないか!」
「残念だけど。
決して、【俺TUEEE】って無双状態じゃないんだなコレが。」
「制限?」
「うん。
その
俺の言葉に、父さんと母さんが、わからんと言った風に表情を崩す。
「ふむ。 つまり、【普通の】
さすが
「そう言う事。
それ以外の
シオンさんから貰った記憶では。
今の俺は、産まれたての
かなり存在値が低くて、普通の武器や魔法でも傷付ける事が出来る。
それでも、この
「一つ、尋ねたいのだが。」
「お主が、
そして、
だが、それでも。 お主が
さすが
「そうだね。 普通、星が1つ2つ消滅しようが。
次元宇宙には関係ない事柄です。」
俺の言葉に、父さんと母さんが、陰鬱な視線を俺に向ける。
だけど仕方がない。
言葉の通りに、星の1つや2つ。
いや、数十数百の星が消滅しようとも、次元宇宙に
それが、次元宇宙の
それが、次元宇宙の
なら、何で。 俺が産まれたのか疑問に思うのも当然。
多分、
「
俺の言葉に、父さんと母さんは、何だそりゃ?って表情に。
「無ってなんだ?」
武彦父さんが聞いてくる。
「父さん。 消滅って言葉を説明できる?」
「在ったモノが消える。 もしくは無くなる。って感じだな。」
「うん。 それでも、消滅して無くなっても、そこに在ったって記憶は残るよね。」
「まぁな。 無くなっても、そこに在ったと言う記憶は残るだろうに。」
「そうだね。 父さんと母さんが死んで、存在しないとなっても。
父さんや、母さんの記憶が消える訳じゃないからね。」
俺の言葉に苦笑する2人。
「でもね。 無ってのは、無くなるって事じゃない。
もっと根本的な
俺の言葉に、訳が分からないと言う表情になる。
「無って言うのは。
消えて無くなるのじゃなくて、元からなかったことになるんだ。
父さんと、母さんが。 元から居ない人で、誰の記憶にも残っていない。残らない。
いや、最初から居ないのだから、記憶に残る筈もない。
それが、無って事なんだ。」
「例えば、重力の定義を起こしたニュートンと言う人物(他にも、アリストテレスや、ロバートフックなども存在する)。
仮だけど、ニュートンと言う人物が、無になったとするよ。
すると、どうなるのか?
ニュートンと言う人物が、無になって存在が誰の記憶からも、記録からも消えてしまい。
後世の人類に記録として残るのは、他の人の定説が植え付けられてしまう感じに為るんだ。」
「記録からも消える?」
「そう。 全ての書物と言う記録からも、最初から居なかった事になってしまうんだ。
それが、無って事。
「それを、今の
母さんが聞いてくる。
「そうだよ。 まぁ、まだ存在値が大きくない。
多分、生まれたての無って感じかな。」
「その、無ってのに。 お前は勝てると?」
父さんが聞いてくる。
「とどのつまり。
無が存在を無くそうとするモノなら。
「「はぁあ・・・」」
俺の言葉に、父さんと母さんが、ひときわ大きな息をついて俺を見る。
「それに、この無ってのは厄介な存在でね。
存在値が小さな内は、星を消滅させるくらいだけど。
育って存在値が大きくなっていくと、星を無に還し宇宙をも無に還していき。
更に存在値が大きくなっていくと、やがては次元を越えて並行宇宙を無に還し。
ついには次元宇宙の壁をも超えて、他の次元宇宙をも無に還して行く存在になっていくんだよ。」
「全次元宇宙の危機・・・」
それまで黙っていた、
「まぁね。 でも、それこそ、億とか兆の
さらに上の京や該どころか、もっと上の単位かも知れないけどね。」
そう、
何処かで無が消えれば、どこかで
あるいは既に、幾つもの次元宇宙を無が無に還していて。
その無を、
何処かで、新しい次元宇宙が産まれれば。
何処かで、無が次元宇宙を還す。
なら、一体。
シオンから受け継いだ記憶には無い。
恐らく、
それに、創世神と呼ばれる神だけだろう。と、
「さってと。 そろそろ・・・。」
アキト達の所に戻ろうか。と言いかけて、
「あぁ~。 あのさ。
「どうかしたのか?」
「1つ。お願いしても良いかな。」
「内容に寄り蹴りだ。」
「俺の居た地球のさ。 家族に会いたいんだけど。」
「あっ! いやっ! 別に本人たちに
夢とか、記憶の中でとかでも良いから、逢えないかなぁ~って・・・。」
今の
次元宇宙に渡る次元跳躍どころか、並行宇宙を移動する次元移動の
それらは、これから数百数千の
今の
「それくらいなら、構わん。
向こう側には、夢として残るように配慮しておこう。」
そう言った
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