第41話 災難は突然に:2
イクル達を見送って、城から外に出るアキト達4人。
「アキトっ!」
ちょうど、王城の門を出た所を男性の声がアキト達を呼び止める。
「いきなりで悪いが。 アキト。時間は空いてるか?」
アキト達を呼び止めたのは、近衛騎士団 第5番部隊 隊長のビル・バイン。
「はい。 空いていますけど。」
「レクサス王国の国境付近で、キュプロスが出てきて暴れている。
このままじゃ、
手伝って貰えないだろうか?」
「分隊長が出るなら、キュプロスごときに、アキトの協力なんて必要ないんじゃないの?」
ビルに言ったのはソニア。
「1体なら問題は無いのですが。
確認されたキュプロスは計三体。 第五、第六の2部隊で向かうのですが。
さすがに手が回り切らない状況でして。」
ソニアに向かって、軽く一礼して説明するビル。
「他の部隊長たちは?」
「第一~第五部隊までは、最前線で魔人族の相手を。
第七~第十部隊は、各方面での魔物退治と索敵に。」
「お父様たちの警護も無しで、何やってんのよ・・・。」
「違うんです姫。 王の警護には、元々は第六部隊が担当だったのですが。
エンスト王が直々に第六部隊にも協力しろとおしゃってくださって。」
「それでも、手が足りないから、アキトの力を借りようって事ですか。」
セリアがアキトの方を見ながら言う。
「僕は構いませんけど・・・。」
そう言って、セリアにソニアとイライザを見る。
「私はOKよ。」
セリア。
「右に同じく。」
イライザが。
「死なない限りは、完全回復してあげるから任しなさいっ!」
ソニアが、何やら危ない発言をする。
「助かる。 それじゃ、転移陣室に。」
そう言って、再び城の中に入っていく。
* * * * * *
転移で、キュプロスが居る
そこから歩いて、2時間ほどの所でキュプロスが見えた。
「でかいですね・・・。」
キュプロスを見て、アキトの口から自然と言葉もれる。
遠目に見ても分かる、キュプロスの巨大さ。
キュプロス。
人型の魔物で一つ目の巨人族。 ただし、魔物で在って幻獣ではない。
身長は10メートル近くあり、手には棍棒の代わりに、そこら辺から引っこ抜いたような巨木を持ち。
上半身は裸で、下半身部分は辛うじてボロ布を纏っている感じだ。
それが三体。
キュプロスの周りには、
「あれ、近づいたら見えるよね?」
キュプロスの腰巻を見ながらアキトが言う。
勿論、アキトの言ってる
「頭が痛くなってくるわ・・・。」
アキトの言葉に、思わず10メートル級の身体の大きさに比例して大きくなる
セリアが、額に手を当てて顔を顰めながら言う。
「大きいのかな?」
ソニアの、殆ど無意識で放った声の小さな言葉に、自分でゴクリと喉を鳴らす。
ソニア、興味は大いにあるみたいだ。
「多分、アキトの20倍くらいは有るんじゃないの?」
と、イライザが爆弾を投げる。
「いつ見たのっ! 僕、見せた覚えないんだけどっ!」
アキト必死に抗議するも、イライザには華麗にスルーされる。
「アキトが落ちて来た時に、ルカさんが着替えさせてたでしょ。
その時に、ソニアも一緒に居て、アキトの
さらっと、アキトに過去を話すのはセリアだった。
セリアの言葉に「えええぇっ!!」っといった表情を見せるアキト。
「言って置きますが、
レイラの言葉に、驚きの表情を見せるソニア。
「自分の身を守れない、
そんなに見たいなら、帰ってからアキトに見せて貰いなさいっ!」
「見せないからっ! なんで僕が見せることが条件になってるのっ!?」
レイラの言葉にアキトが抗議するも、レイラは華麗にスルーで返す。
「一回、見られているんだから。 二回も三回も変わらないでしょう。」
またもや、イライザが爆弾を投下。
「1回と、複数回じゃ、全然意味が違うからねっ!」
「おぉーい。 そろそろ、真面目にならないと、向こうもコッチに気が付くぞ。」
ビルの弟で、副部隊長のダン・バインが、アキト達に苦笑を浮かべながら言う。
ダンの言葉に、渋々ながらも、アキトはキュプロスの方に視線を戻す。
「俺が、右側を
レイラは左を。 アキトは中央を頼む。」
「「了解。」」
ビルの言葉に、3人が返事をする。
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