第18話 ハーフ
リビングに降りると。
セリアと、転移者の2人以外は、既に全員が集まっていた。
「転移者が現れたと、ソニアから聞いたが。」
アレスが聞いてくる。
「うん。まぁ、間違いないと思うよ。
黒髪で、着てた物が、パーカーにジーンズのズボンだったし。」
「話してないのか?」
「うん。空から落ちてきたし。」
「「「は?」」」
「だから、空から落ちてきたんだって。
空から落ちてきて、川の中に盛大に突っ込んで溺れてたのを、俺が川に飛び込んで引き上げて助けた。」
「なんで、空から落ちて来るんです?」
スタンが聞いてくる。
「知らん。」
「突然落ちてきたの?」
とイライザ。
「そう。」
3人とも、微妙な表情に為る。
だよなぁ~。
俺と言い、落ちてきた転移者と言い。
転移者って、普通の現れ方をしないのかな?
さすがに、歴史書や文献でも、そこまで書かれていなかったし。
ってか、ソニアが大人しいと思ったら、顔を赤くしながら俯いている。
未だに、転移者のアレを見たのがショックなのか?
確かに、デカかったけどな・・・。うん。
遅れて、ソニアも降りて来た。
俺と視線が合うと。一瞬で顔を赤くして俺から視線をそらして席に着く。
ってか。 ウチの女性陣は
年齢的には、こっちの星の習慣で言えば、婚礼期はとっくに過ぎているはずなのに。
ソニアは18歳。イライザは22歳。セリアが20歳。アレスが22歳で、スタンが25歳。
そして、俺は現在52歳で、国王が40歳。
因みに、どの種族も、結婚できるようになる年は決まっていない。
女性の場合は、初潮を迎えた時から。
男性の場合は、親が認め、双方の合意が認められれば、10歳からでも結婚はできる。
日本人の感覚すれば早いと思うだろうが。
魔獣や魔物などの危険生物が居る星なので、種族滅亡の危機感を考える点では妥当でないかと思う。
なので、この星での子供の自立心も結構高い。
10歳前後からは、親や村の猟師などに付いていき(農村ならば親の手伝いをして)、狩りの仕方や薬草の採取などを覚える。
殆どの町村では、10歳に為ると、親元で働きながら1人立ちの資金を溜めたり。自立する子供たちも少なくはない。
勉強などは、加減法に基本的な文字(共通語)は親が教えている。
なので、この星での読み書きのできる比率は高い。
ほぼ、8割強とみていいだろう。
そうそう、年で思い出したが。
この星の、亜人族、獣人族の寿命は人族と変わらないそうだ。
強いて言えば、魔人族だけは少しだけ長寿らしい。
人族、獣人族、亜人族の平均寿命は60~70歳。
魔人族の平均寿命は100歳~150歳前後だとか。
そして、各種族間での結婚も可能。
これを、本で見た時には相当驚いた。
何故かって? 普通は種族が違うと子供が産まれないと言うのが地球での認識だからだ。
え?日本人と外国人でも子供ができるって。
それは、地球人と言う括りの中での同じ種族だからで。
犬猫や猿と、人間が交尾をしても子供は産まれない。
そう、染色体の数が違う生物同士が、性行為を行っても子孫は残せない。
確か、人間の染色体の数が46?だったと思う。
次に、人間に一番近いのが、ゴキブリの47。
チンパンジーで48。
この染色体の数が、1つでも違うと子供ができない。
(確か、この染色体にも種類が在った気がするけど。そこまでは覚えていない。)
そして、それが地球での生物学者さん達の見解だ。
つまりだ。 言い方は変だが。
人族と、明らかに姿形が違う、亜人族、獣人族、魔人族と交配して子孫を残せる。
ただし、産まれてくる子供は、必ずどちらかの種族。
人族と獣人族の間に出来た子供は、人族か獣人族のどちらかに。
コレは、他の種族同士でも同じ。
地球で言う所のハーフと言うのは産まれてこない。
これも、この星の状況を考えると納得できてしまうのは、神と呼ばれるカルドラが存在するからなだろうなと思ってしまう。
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