第11話 死亡時期

「あのさ、俺の興味本位の質問何だけど。」


「スリーサイズなら教えないよ。」


俺の言葉に、間髪入れずにイライザが言ってくる。


「いや、別に知りたくもないし。」


「それは、それで、腹が立つっ!」


「難儀なやっちゃ。 まぁ、それは置いといて。 皆は、いつの時代から来たんだ?


因みに俺は、日本出身なのは知ってると思うが、西暦で言うと2020年。 年号で言えば令和2年だ。」


「令和? 平成じゃなくて?」


スタンが俺に尋ねる。


「ああ、平成は31年。 西暦で言えば2019年の4月の30日で終わって。 2019年の5月からは、令和って年号に変わっているよ。」


「そっか・・・。 平成って無くなってたんだ・・・。」


そう言ったのは、イライザだった。


「私は、2018年の平成30年の8月15日に死んだみたいなの・・・。」


一旦、言葉を区切ってイライザが。


「俺は、平成28年。 西暦で言えば、2016年の6月6日だ。」


アレスが答える。


「私は、西暦で言うと、2012年。 平成で言うと24年でしょうか? 12月31日の大晦日おおみそかです。」


言ったのはスタン。


「えっ!? ちょっと待ってよつ! もし生きてて、日本で育ってたなら、みんな私よりも年下だったの!?」


ソニアの驚いた声が聞こえた。


その言葉に、スタン、アレス、イライザが、驚きの表情でソニアを見つめる。


「私は、西暦で言うと2001年。平成13年の10月28日に・・・。」


思ってた通りに、見事にバラバラだな。


最後に視線が、セリアさんに集まる。


「私は、アメリカのフロリダ州出身。 1987年の3月2日に・・・。」


おぉっ! ここに来て、日本からでは無い転生者が来たっ!


「日本に留学中に死亡したわ。確か、昭和って年号だったと思う。」


と、思ったら。死亡したのは日本でだった! やっぱり、日本って呪われてるんじゃないのかっ!?


てか! セリアさん! 今の、絶対に狙ってやったでしょう! ドヤ顔になってるしっ!


しかも、昭和ってっ!


「って事は。 セリアさんが最年長だと言う事でえっおうっ!」


俺の言葉が、言い終えるかかどうかの所で、セリアさんの肘が俺の鳩尾に入った。


「ぎいぃぃぃぃ、おおぉぉ・・・。」


めっちゃ痛いんですがっ!


「野暮な事を言うからです・・・。」


スタンが、憐みの視線を俺に向けながら言う。


「話が進みません。 ソニア、彼を見てください。」


腹に手を当てて、痛みを堪えながらなんとか持ち直すと。


セリアさんが、右手を黒い空間に手を入れて、中から黒縁眼鏡を取り出して着ける。


「メガネ?」


思わず出た呟き。


「目が悪い訳じゃないですよ。 目が良すぎて、見えなくて【良い物】まで見えてしまうから普段は掛けているんです。 今までは、貴方を見る為に外していたんです。」


そう言って、俺の方を向くセリアさん。


やばっ! ドストライクっ! 只でさえ、よめさんの翔子さんに激似なのに、そこに加えてメガネ属性っ!


しかも! 体系は俺好みのスレンダー! 身長も、俺より、頭1つ分低いので、マジでド真ん中っ!


年甲斐にもなく、俺はセリアさんに見惚れてしまっていた。


「何ですか?」


俺が、セリアさんを見て固まっているので、怪訝な表情をしながらセリアさんが俺に言う。


「見惚れてた・・・。」


自然と口から、そんな言葉が出ていた。


そして、自分で言った言葉の意味を自分で理解してハッと我に返る。


「そんなに、似ていますか?」


「えっ?」


「あなたの、奥さんにです。」


「あっ! ああぁっ!!」


どうやら、セリアさんは、俺が魅入っていたのを俺の奥さん。翔子しょうこさんと【重ねて】しまっていると勘違いしてくれたようだ。


俺は、慌ててスマホを操作して、家族写真を見せる。


普段は、写真何て、滅多に撮らないのだが。


久しぶりに、俺と翔子しょうこさん。息子2人と、上の息子の嫁と孫が集まり。 家族勢揃いと為ったので、家族6人で撮った写真を見せる。


「うわぁ、激似です。」


ソニア。


「セリアを日本人にしたら、こうなるのかぁ~。」


変な感想を言うのはアレス。


「エルフの特徴・・と、髪の色を除けば、確かに似てますね。」


スタンの言葉に、セリアさんがピクリと反応。


いや、セリアさん。 スタンが言ってるのは耳の事だからね! 決して、主張が控えめの胸の事じゃないからねっ! 多分・・・。


「大きいわねぇ・・・。」


イライザの言葉に、セリアさんの耳がピクピク動く。


イライザっ! 頼むから余計な事は言うなよっ!


孫だよなっ! 孫の事を言ってるんだよなっ! そうだよねっ!?


「別人だって、判ってはいるんだけどね。 ついつい見てしまう。 ごめん。」


イライザが余計な事を言う前に、セリアさんに向かって謝りながら頭を軽く下げる俺。


「別に良いわよ。それくらい・・・。」


そう言いながら、顔を少し赤くしながらソッポを向くセリアさん。


ほんと、これで俺が若くて、セリアさんがエルフじゃなかったら。 間違いなく告白しようと頑張ってるよ俺。



  *  *  *  *  *  *



因みに、これがソニアに見て貰った、俺の数字化したステータスだ。


()の数字は、一般的な人族の市民の40~50代の男性の平均的な数字らしい。


筋力  21(25)


体力  30(38)


知能  66(26)


器用さ 34(28)


素早さ 28(28)


運    5(30~60 ← 飽くまで平均値です)


悪運   ∞(見た事が無い!)


ギリッギリ平均値だった。 期待はしていなかったけどねっ。


逆に、運の低さに肩を落としているところに追加の一言。


悪運とか言う訳の判らないステータスまで在るとこの事。


昔から何かと大事に巻き込まれるのだが、何故か命だけは助かっていたなと納得する自分がいた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る