スターライトとの出会い編 9
あれから6時間、休憩もはさみながら踊って
「そろそろ帰ろうか」
雄大さんの一言で帰ることになった。
だけど、まだ帰るべきじゃなかった。
「なんでですか…!」
玄関に入ると、リビングの方で誰かの怒鳴り声が聞こえてきた。
「凛月落ち着いて」
「なんで7人じゃダメなんだよ!あんなやつ、いらない…!」
私のこと、、
「純怜ちゃん…」
雄大さんが心配そうに私のことを見つめる。
他のメンバー達は、私が帰ったことにまだ気づいてないみたいだ。
「おい、純怜にはそんなこと絶対言うなよ」
「みんな純怜純怜って、なんでそんな簡単に認められるんですか!?あいつがメンバーになるくらいだったら俺は...」
「凛月。どこ行くんだ」
「あいつの事をメンバーとして認められるまで、俺はここには帰ってきません」
足音がこっちに向かってきた。
「凛月さん、」
かける言葉が見つからなかった。
「お前がなんて思ってるか知らないけど、この仕事は遊びじゃない。みんなに迷惑かけるくらいなら、さっさとやめろ」
「…っ、」
返ってきた言葉は私の心を深くえぐるような言葉で、だけど図星で、何も言い返せなかった。
もちろん、遊びだとは思っていない。
思っていないけど、
実際に今も沢山迷惑をかけてるし、凛月さんの言っていることは間違ってはいないから。
「そんな言い方はないだろ。純怜の気持ちも、ちゃんと考えろ」
天馬さんが止めに入る。
「はぁ。じゃあ俺の気持ちは?俺の気持ちは分かってもらえないんですね」
私のせいだ、私のせいでみんなぐちゃぐちゃだ。
「凛月、どこいくの」
陽向さんが呼び止める。
「ホテルにでも泊まる。だから心配しないでくだ
さい…って、心配なんて最初からしてないですよね」
そう行って出ていった。
私は、後ろ姿をただ眺める事しかできなかった。
追いかけるべきなのに。
追いかけないといけないのに。
足が動かない。
「僕が凛月を連れ戻してきます…!」
そう言って、陽向さんが動き出そうとした時だった。
「やめとけ」
天馬さんが止めた。
「え、だけど....」
「行ったところでどうせ戻ってこない。今の凛月に必要なのは時間だ。感情的になってるから一旦頭を冷した方がいい」
「分かりました....」
私のせいで、メンバーがバラバラに、
「ごめんなさい、私のせいで....」
私はどうすればいいんだろう。
私に出来ることが、あるんだろうか。
「謝らないで、純怜ちゃんのせいじゃない」
「そうだよ。凛月にどうやったら認めてもらえるか一緒に考えよう?」
「はい、」
そうだ。
私に出来ることなんて、たった一つしかないじゃないか。
努力して、し続けて、認めてもらうしかないんだ。
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