第3話 夏祭り

次の日、男から電話があった。今度の土曜日ウチの近くの公園で、夏祭りやるんだけど、どう? どうって、誘ってくれるんだったら行ってもいいけど じゃ土曜日の5時30分に君の家の近くにある駅で待ち合わせしよう。うん、わかった。おい、いいのかよ、あんな男とデートかよ、全く君は、無防備だね、きっとあんな男だから、何かいやらしい事考えているんじゃないの? やめた方がいいよ、そう思い僕は、テーブルに置かれていたペットボトルをテーブルから落とした。こうゆう事なら僕にも出来る。キャ 彼女は慌てて、ペットボトルを手に取った。もう、なんで! なんでじゃないよ、やめときな、それでも彼女は何も無かった様に、台所に行った。まいったなぁどうすればいいんだ。仕方ない、その日は、男が君に、変なことしないよう注意して見ておくよ。そして、土曜日5時30分彼女は駅で男を待った。15分遅れて男は来た。ごめんごめん、携帯が見当たらなくて、探してたら、遅れちゃった いいのよ、15分ぐらいじゃ行こうか 2人は、電車に乗った。その駅から5つ目の駅で乗り換えて、3つ目の駅で降りた。ここから10分ぐらい歩くと、すぐ公園があるから そう言って2人は歩き始めた。10分とは言ったが、もう祭り囃子が聞こえて来た。公園に入ると、5歳ぐらいの女の子が、泣いてた。男は どうしたの? と、女の子に話し掛けた。風船が飛んでっちゃった と言うとまた泣き始めた。男は、じゃあその風船と同じやつ買ってあげる と、言って、その風船が売ってある出店まで案内してもらったこれ そう言うと、銀色のハート形の風船を指差した。いくら 800円です じゃ と、言って男は、財布から千円札をだして、お釣りはいらないから と、言って風船を受け取った。はい、今度は、しっかり持ってるんだよと言って風船を渡した。こいついいとこあんじゃん 僕はつい思った。君も、優しいのねと、男に言った。暑いから、ソフトクリームか、ジュース飲みたいわ 分かった探してみよう。 少し歩いたら、ソフトクリームが売っていた。そこで2人は、ソフトクリームを買いベンチに座った。君と始めてのデートだねうん、そうね 3ヶ月の辛い時期が、うそみたいだよ君みたいな綺麗な人と付き合えるなんて そんな褒めなくてもいいのよ だって君には、花がある一種特有の雰囲気もあるし、誰も君に興味がないなんて嘘みたいだよ。私あなたみたいに褒めてくれる人今まで1人もいなかったわ学校でも目立たない感じでいたし男の人と付き合うの始めてなの 嘘っ本当にじゃオレが始めての男なんだ うん そうか君は、男と付き合った事無かったんだ まあそんなに悪いやつでも無さそうだし、よかったね 男は君に、今からオレんち来る?と、言って来た。私帰らないといけないから そう言うと、男は 何か用事でもあるの? と訪ねて来た。いや、別に無いけど、男の人の家に行くのはちょっと と、言って俯いた。男は、なんだ、かたいな と言って君の肩に手を掛けた。コイツ調子に乗るんじゃねぇよ と僕は思い、腹立たしくなった。ゴメンなさい と、言って肩の手を払った もう、本当に真面目だね と男は言い 今度ライブするんだけど、友達と来ない? と、君に言った君は いつになるの と聞いた。男は、来週の土曜日だと答えた。君は じゃその時 と言って走って駅まで行った。それでいいんだ そう僕は思い君と電車に乗った。さっき貰ったライブのチケットをバックの中から出してチケットを眺めていた。ビジュアル系か、と君は、小さな声でため息混じりで言った。君は、ビジュアル系のバンド聴かないよね 君はU2が好きだよね、ビジュアル系は、好きじゃないんじゃない そう思っていると、君はチケットをバックの中に入れ、またため息をした。


 

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