第2話 深夜食堂
・「深夜食堂」 (2009年~)
一日が終わり、人々が家路へと急ぐ頃、俺の一日は、始まる
営業時間は、夜12時から朝7時頃まで
人は、「深夜食堂」って呼んでるよ
あとは、勝手に注文してくれりゃあ、できるもんなら作るよってのが、俺の営業方針さ
客が来るかって? それが結構来るんだよ……
ドラマ「深夜食堂」は、顔に傷がある寡黙なマスター(演:小林薫)のナレーションで始まる。
東京の都会の片隅にある、小さな食堂。
のれんには「めしや」としか書かれておらず、壁に書かれているメニューは「豚汁定食」と、いくつかの酒類のみ。
メニューも少ないが、寡黙なマスターに言えば、作れるものなら何でも作ってくれる。
常連たちは「深夜食堂」と呼ぶ、そこを舞台に描かれる人情ドラマ。
原作コミックは25巻以上、ドラマはシーズン5まで製作されているほか、劇場版も2作ある。
さらには、韓国と中国でもリメイクされている。
メインが“店に訪れる客たちの心の交流”であり、料理に主眼が合っているワケではないので、グルメドラマというと少し趣がずれてしまうかもしれない。
だが、個人的には、グルメドラマの地平を切り開いたのが「孤独のグルメ」であるならば、この「深夜食堂」は、食事シーンが重要な「グルメドラマ」界隈にとっては、大河の源流のような、“原点”のイメージ。
この辺りを深く掘り下げて語ると「グルメドラマとは」「料理ドラマと違うのか」みたいなカテゴリ分けの基準が面倒くさくなっちゃうので、「料理がメイン」「美味しいものを美味しそうに食べている」ドラマでザックリとまとめます。
このドラマを見ていると、ポテトサラダとか、タコさんウィンナーとか、目玉焼きとか、納豆ご飯とか、お茶漬けとか、すごくシンプルな「手作りメニュー」が、なんだか妙に恋しくなる。
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