俺はかっこいいと言われるための配信譚

@shitete

いつもと違う日常

 俺の名前は斎藤真木さいとう まき、高校生で兄がいる。父は海外出張、だからあまり家にいない。身長は140cmあるかないか位で容姿も女性の方に恵まれた方だ。そのせいで昔は男子に告白されたことがあるが、俺は男だ。丁重に断った。

 さて、俺は食べる事と寝る事が好きだ特に強いモンスターを食べるのは最高だ。よく、食べ歩きをしている。

 最近、ダンジョンに潜って三百層ぐらいまでいくとものすごく美味い奴らがいる。三百層ぐらいまで行くのには3~4時間かかるから時々、行くようにしている。

 ちなみに今は絶賛、ゲーム中だ。時計の針は一時を指している。そろそろ寝ようと思っていたところだ。あと一戦したら寝よう。


 翌日


「ふわぁ~」


 時計の針は8時15分を指している。授業が始まるのは8時30分からだ。いやだなぁ行きたくないなー。仮病を使おうかな。というか時間もやばい、本気を出すと5分で行けるが本気を出すのは面倒くさい、そんなときに転移魔法が活躍する。教室に転移するとやばいのでいつも、校門のちょっと前に転移するようにしている。さて、お母さんの朝食を食うか。


「おはよう、お母さん」

「おはよう時間大丈夫?」

「大丈夫だよ」


 朝の挨拶をした俺は5分で朝食を食べる。服を着替えて歯を磨き、転移魔法で移動した。


「おはよう真木~」

「おはよう晴人」


 こいつの名前は石田晴人いしだ はると、なかなかのイケメンでモテる。頭もそこそこいい。自称オタクだ。俺はオタクだと思っていない。こんなに持てるやつがオタクな理由わけがない。

 晴人は小学生からの親友で大体の事を知っている。時々、相談に乗ってもらっている。時々、遊ぶしよく喋る。こいつと家族は俺がダンジョンに潜っているのを知っている。


「なあ沙希、俺さあ配信しようと思うんだよね。沙希もしようよ~」

「あのな、俺はそもそも人とあまり喋れないし目を合わせることもできないんだぞ」

「えーでも真木が配信したら絶対人気出ると思うけどなぁ可愛いし声もいいし」

「は?可愛いってお前なぁ」

「良いじゃんやろうぜー」

「やるにしても何やるんだよ」

「ダンジョン配信」

「それまた、どうして」

「だって、お前よくダンジョン潜ってるだろ?」

「それはそう」

「まあまあ、レベル上げ手伝うからこの話は保留ね」

「ありがとうございます真木様」

「いきなりキモいわ」


 こんなふうに時々、レベル上げを手伝ったりしている。

 まあ、ちょっとだけ配信してみてもいいかも。

 ちなみに東京ダンジョン前、集合らしい。


 放課後


 あれだ、絶対あれだなぜかって女性三人が晴人にいいよっているからだ。そこに見た目が女の子の俺が可愛く入りぶち壊す。


「おーい、晴人くーん♡」


 俺が物凄く可愛く言うと周りの女が全員こっちを見て舌打ちをしながら去っている。計画通り。


「真木、モテるのが憎いからって、そういうことはやめろ。」

「やだね、晴人がキツく言わないから悪い」

「それは、、ごめん」

「ダンジョン行こ♡」

「やっぱり、可愛いな」

「なんかいった?」


 晴人がなんか言った気がするがそんなことは気にせず俺達はダンジョンに向かった。


変換へんかん

「ずるいってそれ~」


 変換は俺のスキルだ。相手を変換し、肉や飲み物、素材に変換する。

 ちなみに調理というスキルも俺は持っている。調理はそのまんまのスキル、大体なんでも美味しくしてくれる。変換はちゃんとした物体なら何でも変換できる。

 変換すると相手を倒したことになり、レベルが上がるので俺はレベル400以上だ。

 レベルは上がれば上がるほど素の体力も上がるので俺はそこそこ強い。


「ほら、晴人殺れ」

「殺れってまあやるけど」


 俺は晴人に死にかけのミノタウロスを|投げた

 その時、奥から悲鳴が聞こえた。急いで走って行ってみるとミノタウロスの上位種がキレイな女性を襲っているではありませんか。

 ミノタウロスは美味しい。上位種なんて炭火焼やステーキや焼肉にしたらどんな味がするのだろうか。

 想像するだけで涎が出てくる。今までにちょっとだけしか食べたことがない。


「そ、そこの人逃げてください!!」

「なんで?」

「だ、だってミノタウロスが、ってえ?」


 俺がミノタウロスを肉にした。

 そしてアイテムボックスの中に入れた。アイテムボックスは異次元の箱のようなもの。そして、女性は配信をしているようだった。女性の左上にドローンのような物がふよふよと浮いている。

 あれ、何円するのだろう。相当、高い気がする。


「おい真木待ってよ~って石橋可憐いしばし かれんじゃねぇか!なんでいんの?!」

「えーと、先ほど、助けてもらって。あなたはこの子の保護者ですか?」

「おい!俺は高校生で男だからな!」


 俺は子供と間違われてちょっとムッとした。さらに、この子扱いとは。


「え?すみません間違えてしまって」

「怒っても可愛いなぁ(小声)」

「まあ、いいよ」

「カワイィィィ」

「なんかいった?」

「いえ、何も」


 何か言われた気がするが、助けられて良かった。

 そういえば今日の夜に好きなVTuberの配信があったな。そろそろ帰るか。


「おい、晴人そろそろ帰るぞ」

「え~せっかく、アイドルに会ったのに~」

「そんな事言うと、おいていくよ」

「ごめんなさい、連れて行ってください」


 俺はアイドルなんて気にしずにそそくさと家に帰った。家に帰ると9時を過ぎていてご飯が用意されていた。


「「いただきま~す」」


 食べ終わったら配信を見ながらゲームをした。

 今日はダンジョンに行ったので眠たい。今日は早く寝ようと決めた。


 翌日の帰り道


「なあ、配信しないか?」

「VTuberとかならまだ、いいけど」

「じゃあ、応募するか!」

「え、早くない?」

「二人共受かるといいな!」

「え、早くない?」

「応募するのは、エイドルという事務所な!結構、大きい事務所だぞ!」

「あと、俺じゃなくて、僕って言ってみてくれ」

「ぼ、僕」

「よし真木、これから僕と言え。絶対にだ分かったな!」

「わ、分かったよ」


 物凄く気が早い気がするがまあ、いいだろうどうせ受からないだろう。帰るとお兄ちゃんがいきなり部屋に来てと呼んだ。

お兄ちゃんの名前は斎藤海斗さいとう かいと、僕を溺愛している。

 なぜ、僕なのか分からないがこれから、そうしとこう。

 エイドルはVTuberの事務所だ。中々、大きい事務所だ。そのため、応募する人も多いので受かることが奇跡に等しい。


「な、なあ真木、実はエイドルで一期生やってるけど、沙希もやらないか?」

「えええええええええええ!!」

「俺は竜星竜也りゅうせい たつやって言う名前でやってるぞ」

「知ってるよ!チャンネル登録者100万人こえてるよね!」

「ああ、凄いだろ~」

「凄い、お兄ちゃん」

「可愛すぎだろ。もう、死んでもいいわ(超小声)」


 お兄ちゃんが配信をしていることは前から知っていたがまさか、VTuberとは知らなかった。しかも物凄く人気だったとは。

 てことは、もし事務所に入れば俺はあのお兄ちゃんの後輩ってことか。まあ、悪くないな。


「まあ、俺が事務所に真木ちゃんのこと宣伝してるから大丈夫だと思うけどね」

「ちゃんって言うな!もう何、宣伝してるのお兄ちゃん~」

「事務所の人も来たら合格だと思うといってたからな」

「そうなんだ。晴人も受かるといいけど...」

「ああ、晴人か、晴人ならきっと受かるよ」


 お兄ちゃんがそう言ってくれたことで安心した。

 ちなみに、晴人はお兄ちゃんに昔から、遊んでもらっていたからものすごく仲良しだ。

 書類審査合格通知は3日後だ。ワクワクする。ダンジョンに潜れる人は少ないから多分、行けるよね。

 僕は書類にダンジョンによく、行っていると書いた。

 3日後、通知が来た。ドキドキしながら開いてみると合格と書いてあった。

 晴人は受かったのだろうか。メールをして結果を聞こうと思う。早速、結果を聞いてみる。


 メール

 ・結果どうだった?

 ・おい、受かったぞ!やったー!!

 ・僕も受かったよ!

 ・無事二人共受かって良かったな!

 ・まあ二次試験、二人とも通ったら祝いで高級焼き肉でもいこうか

 ・もちろん真木のおごりでな!

 ・まあ、金はいっぱいあるからいいよ

 ・よっ、さすが探索者


 探索者とはダンジョンに潜っている人の事を言う。

 魔物の素材は命がけで採取するので中々、金になる。なので、そこそこの実力があると一年で1億は稼げる。

 だから金に目が眩んで、命を落とすやつもいる。死にたくたいのならそういうことはやめてほしい。命あっての物種というやつだね。

 ダンジョンの中で犯罪をする良くないやつもいるので、一部界隈では蔑まれる対象になる。本当にやめてほしい。

 犯罪もダンジョンだからってするな。地下でも日本は日本だぞ。

 そのせいで「仕事は何してるの?」と聞かれたら探索者とはあまり言えない環境になってきている。

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