8月27日(火)


 今日は恵美おばさんとお墓参り。


 朝、かわらでカッパさんに遊べないってあやまった。


 カッパさんは笑顔で「行ってらっしゃい」って。


 カッパの女神様はいつも優しいな。


 家から歩いて二十分。


 お寺にあいさつしてからお墓へ。


 草ぼうぼうだ。


 あー、こうなっちゃうよねぇ。


 おじいちゃんも、おばあちゃんも、ときどき来ているみたいだけど。


 まずはお墓のおそうじだ。


 ぐん手をして草むしり。お寺で借りたバケツと、持ってきたスポンジでお墓をゴシゴシ。


 恵美おばさんは、お寺の住しょくさんとお話ししている。


 大人の話にぼくがいてもジャマだろうから、恵美おばさんにおまかせ。


 お寺の中であれば涼しいし、お墓のそうじはぼくにおまかせを。


 と思っていたら、すぐにうでまくりしながら恵美おばさんが帰ってきた。


 お寺の中で待ってて、って言ったんだけど、ぼくといっしょにおそうじしたいって。


 だから、暑い草むしりはぼくがやるので、水を使うお墓のそうじを恵美おばさんにお願いした。


 手分けするとそうじも早い。一時間もかからずに、とってもきれいになった。


 お父さんも、お母さんも、これならきっとほめてくれるかな?


 お花を飾って、お寺でもらったお線香を立てる。


 お墓にお水をかけて(お父さんもお母さんも暑いよね)、手を合わせた。


 ぼくは元気だよ。恵美おばさんともなかよし。だから、安心して天国で見ていてね。


「すみません」


 声をかけられてふりむくと、カッパさんがいた。


 いつもとちがう、うすい緑のワンピース。


 とてもかわいかった。


「レンくんの友だちです。私もお線香をたむけていいですか?」


 ぼくは、恵美おばさんにうなずいた。


 お墓に線香を立てて、手を合わせるカッパさん。


 わざわざ来てくれたんだね。


「ありがとうございました。レン、またね」


 ぼくの鼻を指でちょんとさわって、そのまま帰っていった。


 その後、恵美おばさんには何度もヒジでつつかれて、さんざんからかわれた。


 カッパって、こんなにたくさん人間の前に出てきていいのかな?


 でも、ワンピースのカッパの女神様はとってもかわいかったなぁ。






 ぼくの心の歯車は、とてもかろやかにまわっていた。


 きっと、ぼくの顔には笑顔が浮かんでいる。



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