第四の星『天権』
〜運命の連星〜
いずれ歴史の闇に沈みゆく、呪いの獅子と小さな星。
その二つの運命が交わる時、物語は新たな章へと踏み出す。
ステルラ♀:
カースレオン♂:
〜本編〜
ステルラ「そこで何をしているの…?」
カースレオン「あぁ…?」
ステルラ「人が倒れてるじゃない…!もしかして、あなたが…?」
カースレオン「だったら何だ」
ステルラ「まぁ…。あなたの名前は?」
カースレオン「は…?なんで名前なんか」
ステルラ「いいから教えなさい!」
カースレオン「…カースレオン」
ステルラ「…そう、やっぱり。お姉様から遺言を預かってるの。刃物を持ったボロボロの公爵服を着た男と出会ったら、名前を聞いてと」
カースレオン「…遺言だと?」
ステルラ「お姉様は、あなたを放っておいてはいけないと伝えてきたのよ」
カースレオン「…馬鹿な。お前の姉は俺が殺したんだぞ…」
ステルラ「わかってる…。けれど…遺言を残す時、何か特別な使命を背負っているとも言っていた」
カースレオン「使命、か…」
ステルラ「お姉様は最後まで、何か重要なことを伝えようとしていたわ。それが何かはわからないけど、少なくともあなたを助けることで、その意志を尊重できるかもしれない」
カースレオン「…お前はそれでいいのか?俺を助けたところで、姉の復讐心が晴れるわけではないだろう」
ステルラ「復讐心は私の問題。でも、お姉様の意志に従うことは、私自身の心の整理にもなる。まずは今、あなたを助けることが大切」
カースレオン「…わかった。だが、気を付けろ。俺を助けるってことは、自分自身も危険に晒されるということだからな…」
ステルラ「すべて承知の上で、私はここにいるのよ」
カースレオン「…そうか、お前の覚悟は伝わった。なら、急いでここを離れないとな」
ステルラ「その前に、渡さなきゃいけないものがあるわ」
カースレオン「これは…懐中時計か…?」
ステルラ「ただの懐中時計じゃない。お姉様が生前大切に持っていた、数奇なる運命を記録する懐中時計」
カースレオン「運命を記録する…?」
ステルラ「ええ、この時計には特別な力があるの。お姉様はこの時計が、呪いを解くための手助けになると言っていたわ」
カースレオン「なるほどな、ありがたく受け取ろう」
ステルラ「呪いを解くこと…それがあなたの使命、なのよね?」
カースレオン「ああ、詳しいことは後で話す。追手は俺が片付ける、お前はなるべく顔を見られないようにしろ」
ステルラ「わかったわ。まだ会って間もないけど、私はあなたを信じてるから」
カースレオン「…ふっ。まさか、俺がそんな言葉をもらえる日が来るとはな…」
七星物語 ~Seven Tales~ @hiyamiutai846
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