1の13 洞窟



 【ミッドベル村北方、ミモネ山中腹の洞窟】



 洞窟は暗くてじめじめとしていた。数日前にシュウジとミリアがモンスターに追われて逃げ込んだ洞窟である。


 テイムの木が生える場所というのは、おそらくここのどこかだろう。三人は慎重に奥へと足を進める。


 パーティを組んでいた。パーティリーダーは団長のミリアである。


 彼女は左手にランタンを持っている。後ろから明かりを照らしてくれていた。タンク職のシュウジが先頭である。

 

 歩いて行くと、コツコツコツという足音が聞こえてきた。スケルトンのモンスターが一匹出現する。



「シュウジさん、モンスターです!」とミリア。


「ああ、分かってる」


「マジかよ! つ、強いのかな」ハルオはびびっている。



 シュウジは『シールドエンチャント』を使用した。彼の周りに盾マークが四つ出現し、周囲を回る。被ダメージを50%カットできる効果だ。

 

 『ダークネスブロー』でスケルトンに斬りかかった。前方に剣を横薙ぎする。剣士の初歩スキルである。


 ソロの時と違って、彼はモンスターの攻撃を避けない。敵の攻撃から逃げ回るタンク職なんて聞いたことがない。シュウジは後衛の二人を守るために剣で防御をし、防御仕切れない攻撃は受けて耐えた。


 ミリアが『エレキトリックショックサイン』と『ブラッドペインマーク』を続けて使う。雷が降るグラフィックがあり、その次にスケルトンの体が赤黒く変色した。


 どちらも継続ドットダメージ魔法である。相手の移動力と攻撃速度を減退させる効果もあった。さらに三回重ねがけができる。


 そしてエレキトリックショックサインはLV2である。レベルアップ効果で、時々敵は感電したように動けなくなった。


 スケルトンはあっという間に倒れて銅貨を落とした。ミリアが『リカバー』を唱える。パーティ全員の足下に緑色の輪っかが発生し、HPが回復した。


 ちなみにこのゲームにMPは無い。その代わりにスキルにはクールタイムがあった。


 例えばシュウジの『シールドエンチャント』の効果は三十秒だ。使用後、一分間のクールタイムがあった。続けて使うには、効果が切れてから30秒待たなければいけない。



「何だ余裕だな」とシュウジ。


「強い強い強い! シュウジくん強いよお。このままガンガン行こう!」とハルオ。


「シュウジさん、気をつけて進んでくださいです」とミリア。


「オーケー」



 シュウジはモンスターの足音が聞こえると立ち止まった。一匹ずつ倒して、ゆっくりと奥へ進む。


 出現するモンスターは、スケルトンとゾンビ、そして闇に飲まれた信者だ。どれもアンデット系のモンスターであり、足が遅かった。そして気色の悪い見た目だった。


 シュウジはたびたび敵の毒にかかった。ミリアが『リカバー』を使い、解毒してくれる。


 『リカバー』は状態異常を取り除く効果があるようだ。その代わり、HPの回復量は若干低い。



「ガンガン行こうぜ、ガンガン、ガンガン!」とハルオ。



 ハルオのスキルはアンデット系のモンスターに効果抜群だった。バーニングアローの属性は火である。モンスターの属性は地だった。


 どうやら火は地に強いようだ。それが判明する。パーティを組んでいるおかげで、ハルオが範囲スキルを撃ってもシュウジたちがダメージを受けることは無かった。


 二十分も洞窟を進んだだろうか? やがて、広い空間に出た。


 空間の奥に一本の赤い木が生えている。木には赤い実がいくつもなっていた。



「テイムの木です!」ミリアが声を張る。


「あれがテイムの木かー!」ハルオが感慨深い声を出す。


「ボスがいるな」とシュウジ。



 木の前には羊のような頭をした人型の化け物が立っていた。



「お前らごときに、俺を一人で倒せるか・・・・・・・・・?」



 ――ボス、メリーグーテル



 なんと喋った。シュウジは顔を険しくした。他の二人に呼びかける。



「みんな、俺がファーストアタックを取って、タゲを固定する。その後でミリアは敵に魔法を入れてくれ。ハルオはバックアタックしろ。自分にタゲが来た場合は、俺がまたヘイトを取り直すまで逃げ回ってくれ」


「かしこみりあです!」


「わ、分かったよシュウジくん!」


「よし。行こう!」



 シュウジはメリーグーテルに勇敢に突っ込んで行った。





 ◆◆◆


 恐れ入ります。作者はこの小説で、本気でプロを目指しております。お手数ですが、以降読み進める際に以下の作業をお願いします。フォロー ☆☆☆ レビュー ♡応援 応援コメント をいただきたいのです。作者のモチベーションUPと維持のため。この小説を幅広い読者に読んでいただくため。プロになるため。よろしくお願いいたします。


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