1の12 ミリアのネタ帳
【ミッドベル村、初心者の訓練場】
わら人形の案山子が揺れている。素手で叩いているのはハルオである。あと二百回も叩けば、目標の一万回目だった。
それを終えなければ、ペットモンスターのクエストが発生しない。シュウジがそう教えてくれた。ハルオは一生懸命グーパンチを放つ。
叩き始めてから二時間も経過しただろうか。ドンッ、と効果音がして、目の前に文字が表示される。
――クエストクリア――
――ミッドベル村の全てのクエスト解放――
……ほ、本当だったんだ。
……すごい。
ハルオの手元に青い宝石、ラピスが降ってくる。両手で受け止めて、ステータスにしまった。武器に装着をする。
見ると、時刻は午前11時半過ぎである。ハルオはステータスを閉じて、初心者の狩り場を離れた。
【ミッドベル村広場】“カメラチェンジ、シュウジ”
シュウジとミリアは他にクエストが無いか、手分けをして村を探し回っていた。噴水前で、二人は合流した。双方共に生き生きとした笑みを浮かべている。
「シュウジさん、クエスト探しはどうでしたか?」
「おう、一つあったぞ。村長の家で、山の蛇神様を倒せっていうクエストだ」
「山の蛇神様ですか。それって、戦って勝てますかね?」
「分からん。戦ったら死ぬかもな」苦笑するシュウジ。
「シュウジさんが倒してくださいです」
「一人じゃ無理だろ、お前がやれ」
「かしこまりました」
「お! 言ったな」
「かしこ無理ました」
「……やるのかやらないのかどっちだ!?」
「無理ました」
「国語を小学校からやり直せ!」
「日本語は難しいのですよ」
「まだ俺をからかう気か?」
「からかうのは骨折れです」
「あっさりと認めるんだな」
「シュウジさん専用のネタ帳を作ったんですよ」ステータスからメモ帳を取り出すミリア。
「ネタ帳を作ってまでやることなのかそれ!?」
「えーと、シュウジさん弱点は」
「おいっ」
「エロに弱い」
「ま、まあ強くはない」
「素直じゃない」
「割と素直だと思うが?」
「ミリアが大好き」
「それはち……いや待て。ここで否定したら俺はひどい人間になるじゃないか」
「優しい」
「この世は弱肉強食だ」
「やはり素直じゃないです」ミリアがメモ帳を閉じた。ステータスにしまう。
「それで、お前の方はどうだったんだ?」
「何がですか?」
「クエスト探し!」
「あ、あーあ、一つありましたよ!」
「お! 場所はどこだ?」
「それはですね」
「ああ」
「秘密秘密秘密秘密ー」
「秘密ーのアッコちゃん!」
「ノリが良いですね」
「できる男、シュウジです」
「その調子でアッコちゃんのテーマソングを歌って欲しいです」
「それはマジ無理」
「できる男、シュウジですよね?」
「できないこともあるんだ」
「仕方ありませんねー」
「おい。馬鹿やってないで、真面目な話をしよう」
「ひみつのアッコちゃんを歌うにあたって何が不安ですか?」
「歌わせようとすな! くどいわ!」
聞くと、ミリアは病院の病室でクエストを見つけたようだった。病気の老婆に薬を届けるというものである。
二人はお互いの成果を
ちょうどお昼時である。三人は大衆食堂に入った。
午後からはミモネ山の洞窟に行く予定である。シュウジは思った。
……テイムの木が生えているのは、たぶんあの洞窟だよな。
……洞窟は暗いから、明かりを照らしてくれるアイテムが必要だな。この後買って行くか。
◇◇◇
名前 ミリア
レベル 11
HP 1100
攻撃力 12
防御力 38
素早さ 33
魔攻 136
魔防 38
運 0
ステータスポイント 0
アクティブスキル 『エレキトリックショックサイン』『リカバー』『ブラッドペインマーク』
パッシブスキル 無し
セットスキル スロット1『エレキトリックショックサインLV2』
スロット2『リカバー』
スロット3『ブラッドペインマーク』
ユニークスキル 『死の宣告』
武器 『初心者のマジックブック(攻撃力+1 魔攻+3)』
防具 『皮の帽子』『皮のグローブ』『皮の鎧』『皮のベルト』『皮の靴』(合計 防御力+5 魔防+5)
スキン お姫様ドレス
◇◇◇
◆◆◆
恐れ入ります。作者はこの小説で、本気でプロを目指しております。お手数ですが、以降読み進める際に以下の作業をお願いします。フォロー ☆☆☆ レビュー ♡応援 応援コメント をいただきたいのです。作者のモチベーションUPと維持のため。この小説を幅広い読者に読んでいただくため。プロになるため。よろしくお願いいたします。
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