『落研ファイブっ』アナザーストーリー
モモチカケル
しほりとの交際と別れ(大山詣り)までのアナザーストーリー
第1話 湘南の激闘(27話)翌日
https://kakuyomu.jp/works/16817330659394138107/episodes/16817330668518930015 の続きです。←に出てくる『お百度参り/藤巻しほり』=本投稿における『藤崎しほり』です。
親子ほどに年の離れた後輩たちに、『
〔餌〕「
〔シ〕「磁気バンじゃねえか。何やってるんだよ」
〔餌〕「
シャモの
首元をさぐったシャモは、餌が貼った磁気バンをべりっとはがした。
〔餌〕「はーがーさーなーい。ねえシャモさん、昨日から
〔シ〕「おい今俺の頭に何を掛けた」
〔餌〕「
うるせえよ、とぶつぶつ言うシャモの切り返しにもいつもの切れがない。
〔仏〕「真面目な話、
〔シ〕「そういや、お守りだって言ってしほりちゃんから貼られたんだけど。これ何」
シャモは左二の腕をまくり上げて、お百度参りこと藤崎しほりから貼られたシールを仏像に近づけた。
〔仏〕「
梵字シールの貼られたシャモの左二の腕を見るなり、仏像は文字を判別した。
〔三〕「うちの婆ちゃんが似たようなキーホルダーを持ってんな」
〔餌〕「かの電波系で有名な『ゆんゆん』愛読者層に刺さる文字って事ですね」
〔仏〕「『ゆんゆん』読者でなくとも、仏教徒なら見た事はあるはず」
〔下〕「たしかに、
〔仏〕「しっかりしろ
〔下〕「取り込まれて無いっすよ。あんなのと関わったら終わりですって」
〔シ〕「ちょっと、俺の女バカにすんの止めてくれる」
下野の鋭い
〔一同〕「ええええええええっ! 俺の女ーっ?!」
〔三〕「急展開過ぎるだろう。昨日の今日で」
〔仏〕「どんな術を掛けられたらそんな事に」
〔餌〕「それにしちゃシャモさん全く嬉しくなさそうなんだけど。カラオケに行った日の方が、よっぽど浮かれ騒いでたじゃないですか」
〔多〕「
騒然とする部員に、出席簿片手にやって来た多良橋がたずねる。
〔仏〕「例の生霊女に取りつかれちまったらしい」
〔餌〕「シャモさんが、『お百度参り(しほり)』のお供え物になったのです」
〔多〕「おっ、彼女持ちになったのか。そりゃおめでとう。後でプレゼント渡すわ。何でそんなに浮かない顔を」
〔シ〕「そんな事ないっすよ。俺いつも通りです」
〔三〕「絶対明らかにいつもよりテンション低すぎだって」
〔仏〕「本当におかしいよ。目が違うもの」
そんな事はねえよと力なくつぶやくシャモは、一人でビーチサッカーピッチのブルーシートを取り外しに掛かった。
※※※
〔三〕「シャモが
明らかに生気の無いシャモを遠目に見ながら、三元が仏像にむかって心配げにささやいた。
〔仏〕「そう言えばあいつ去年の文化祭の演目決めの時に、
落語の
〔三〕「
一人黙って淡々とストレッチを始めたシャモを見ながら、三元と仏像はぶるりと首を振る。
〔餌〕「でもシャモさんはどう見たって
〔仏〕「ふざけんな。あの女が松尾に乗り換えようとしたら、俺が刺し違えてでも止める」
〔松〕「済みませんHRで遅れました。今日は飛島君はお休みです」
〔多〕「了解。早く着替えしろ」
鼻息も荒く仏像が反応すると、噂の主がお出ましだ。
松尾が着替えをしていると、プロレス同好会の三名が部室で着替えを終えてやってきた。
〔服〕「シャモさん、あの後どうなったんすか」
一旦終わったはずの話を服部が蒸し返すと、シャモは二の腕のタトゥシールを指さした。
〔仏〕「『俺の女』だって。絶対止めといた方が良いって」
〔服〕「おめでとうございます。ファミレスでその話で持ちきりだったんすよ」
〔仏〕「服部も飯食いに行ったんだ」
〔服〕「そりゃ女の子としゃべれるチャンスは逃したくないし」
服部はモアイのような目を細めた。どうやら女子との語らいに手ごたえを感じたらしい。
〔仏〕「日光女子軍団を女の子にカウントするのかよ」
〔下〕「絶対あいつら嫌っす。俺集団でセクハラされたんっすよ」
〔天〕「女子に」
〔長〕「集団で」
〔服〕「セクハラされる」
〔三/天/長/服〕「それ何てごほうび」
エロカナ軍団aka日光女子軍団によるセクハラ被害を訴えた下野に、非モテ男子は冷たい。
〔下〕「ごほうびじゃないっす。
下野は
〔天〕「俺ら一生かかってもそんなポジにイケねえよ」
〔服〕「これだからサッカー部は」
〔長〕「女子受け良いってお得だよな」
〔三〕「俺なんて下野君よりずっと長い時間あいつらと一緒にいたけど、指一本も触れられなかったわ」
すねる非モテ男子に向かって、好きな奴以外にあんな事されるの迷惑なんっすよと下野は叫んだ。
※本作はいかなる実在の団体個人とも一切関係の無いフィクションです。
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