第三次世界大戦…だと…?
第11話 WW3
「痛っ…た…」
右手がビリビリと痛みが継続する。毒のダメージは回復力で中和しているようだが、とにかく右手が痛い。
うっ…気持ち悪い…
「おえぇ…」胃の中にあるものをすべて地面に向かって吐き出す。吐くなんて何年ぶりなんだろう…
「スキルに使えるやつがありましたよ。じゃあ、頑張ってください。」
一言だけ死神が残し、アイテム欄に消える。
毒の目眩と痛みで、立っているのもやっとの中、スキルの欄を見る。
「全快…」
スキル欄にある【全快】のサブスキルを、やっとの思いで押し、再確認のアナウンスも一切見なかった。
震える指で押した瞬間、一気に体調が良くなるのを感じる。右手を見てみると、無かったはずの指が治っている。そして、先程まで、赤い表示を灯し続けてきたHPバーも、今は青く戻っている。
「助かった…」
その場に座り込む。着替えたのがバレた以上、もう一度着替えなきゃな…
更衣室に入ろうとした瞬間、アナウンスがまた表示される。へ…?
『只今、更衣室を使用することができません。直るまでの時間は未定です。』
あーっ!またかよぉ!何なんだよぉ!絶対僕のために作られたやつでしょ!僕のために皆を巻き込むな!……もう巻き込んでるけど。
突然、掲示板に公式から通知が来た。という連絡が来る。
なんだろ。そう思いながら掲示板機能で見る。
『今から1大イベントを開始します。イベント名は【WW3】です。今から、このゲームに参加している60000人を15グループに分けます。
つまり、1チーム当り、4000人計算となります。また、1チームにつき、0.04%のその他…、ここでは【精鋭】と定義します。
そこには、運営自らがランク付けしたのを基準に、精鋭24人を配分します。一人倒すごとに、10万円。ですが、自分が倒された場合は、賞金が0。
リスポーンしたとしても、檻の中に入っている状態になっています。娯楽などは与えるので安心して下さい。
相手の精鋭全員が倒されるか、白旗を掲げるなどをした時点で、敗北扱いとなり、全員の賞金が0。かつ、グループ全員が檻の中に入ります。
WW3が起こっている間は、ゲームを退出することができません。ですが、檻に入っている状態では、ゲームを退出することができます。
ゲーム内の一日は、現実世界の1秒なので、安心して下さい。
では、楽しいWW3を。』
長文でつらつらと書かれている画面を見て、僕は悟った。
「これは…やばい…」
そう呟いたときにはもう遅く、僕の腕にリストバンドが巻かれていた。
リストバンドに書いてある数字を視認したのと同時に、アナウンスが来る。
『貴方は、【精鋭#1】です。チーム名は【紺藍】です。白旗を掲げるためのボタンは、設定欄に乗せておきます。』
お…
「終わったァァァァァァ!」
死を確信した瞬間だった。
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