第9話 敵襲
僕は黙って、アイテム欄ですやすやと寝ている死神をドラッグして出現させる。それも、できるだけ高いところから。
「ぐへっ…痛いじゃないですか!主!」
「死神ぃ!なんでスキルが重複してんだぁ!」
距離を詰める。
「だって…襲撃者から
「いや、ね?スキルをくれるのは有り難いんだけど、このスキル重複がバレたら多分懸賞金が上がって大変なことになるよ?死神くん。君の出番が増えるんだよ?分かる?」
暫く考える素振りを見せ。頭を抱えだす。
「そうではないか…でも、私が倒してしまうと、必ず生命力にして取り込んでしまう…。そうだ!主が倒してしまえばいいじゃないか!そうだそうだ。そうすればいいじゃないか!スキルとか重複してるし。」
一人で納得し、すぐにアイテム欄に戻ってしまう。おい!
「はぁ…仕方ないのか…じゃ、目の色の選択をしよっかな。」
色の種類は【鮮血】【群青】【翡翠】【琥珀】【薄墨】【漆黒】があった。
【鮮血】体力と力が大幅に増加するが、走力が大幅に下がる。
【群青】体力と走力が大幅に増加するが、回復力と攻撃力が大幅に下がる。
ここでの体力と、回復力というのは、体力がHP、回復力がHPの回復量のことである。体力はいろいろな要因で少なくなったり、かんたり…
今はいいや。他のを見よ。
【翡翠】回復力が大幅に増加するが、走力と攻撃力が下がる。
【琥珀】攻撃力が大幅に増加するが、体力が大幅に下がる。
【薄墨】攻撃力と走力が極限まで高くなるが、体力と力がほぼ0の状態になる。
【漆黒】全体的に少し増加する。
すべてを見終わった時、僕は思った。ギャンブルがあると。
【薄墨】を選んじゃったら大変なことになるなぁ。別に、走力で体力が消費されるとかじゃないから良いんだけどさ。多分、一撃入れられたら死ぬよね。本当に自爆特攻するしかなくなるじゃん。
試しに薄墨を押してみる。すると、装備というボタンの左側に、1/2という表示が出ていた。あ、これもう一個装備できるやつ?オッドアイみたいな。
そうなってくると話が変わってくるな。まぁ…【鮮血】かな…。
鮮血を選ぶ。僕の考え通り、2/2という表示に変わり、装備ボタンを押してみると、見事なオッドアイになっていた。その状態で、ステータスの部分を見る。
体力 250/250 力 200 攻撃力 1000 走力 800 回復力 100
スキル 【死神】【格闘家Lv2】【狙撃手】【メンタリスト】
サブスキル 【逃走者】【鉄壁】【起死回生】【隠密】
ちょっと…十分すぎません?もともとのステータス値が100だから、ゆうに超えてるよ?大幅って、5分の1とかなん?
要塞化してるじゃん…自分が…
はぁ。何度目かの溜息を吐く。突如、けたたましい音とともに、目の前に何かが通る。後ろの木に小さい穴がポッカリと空いている。狙撃…?
アナウンスが鳴り響く。クッソ…3%かよ…。次の不幸の確率が発生する10分間耐えないとな…
死神をアイテム欄から取り出す。
「敵襲だぞ。やっちゃうか。」
集中モードに入っているのか、静かに頷いただけだった。
僕は走り出す。
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