第2話 ゲーム設定
届いたVEMを意気揚々と開ける。明日と明後日も有給取ったし、今日は徹夜だぁ!
あれ…これ高いところってダンボール切れなくね?これ、天井すれすれだからカッター入らないんだけど。
あれぇ?もしかして詰んだぁ?
ゲームが傷つくのを覚悟して、カッターを横からいれる。あ。開いた。
段ボールから取り出したゲームは、一瞬、某ショッピングセンターにある、カラオケボックスと見間違えるぐらい大きく、黒かった。外側からは何も見えないが、扉を開けて入ってみると、内側からも見えない。おい!
また、これは防音になっているらしく、多少騒がしくしても大丈夫そうだ。
『ヘルメットを被って、生体認証を行って下さい。』と、機械から音声が流れる。
僕は言われた通り、ヘルメットらしきものを被り、認証を開始する。この装置は脳の電気信号を認識し、体を動かそうとすると、ヘルメットに付いているモニター上のアバターが動くという仕組みらしい。
しばらくすると、自分と瓜二つのアバターが出来上がり、回転する。お。服を自由に着せれるじゃん。まぁ…ラフな格好で、少し大きめのTシャツを着て、脛ぐらいのハーフパンツを履いて、普通の帽子でも被ろうかな。でも、顔バレしたくないから、サングラスでもかけよ。
一通りの作業が終わり、タイミングよく話しかけられる。
『認証が完了しました。ユーザー名などを決めて下さい。』ユーザー名かぁ…どうしよう…なるべくというか、絶対に自分の名前とか使っちゃいけないよね。
僕はユーザー名に2,3分をかけ、結局自分のユーザー名が
Syachiku-sanとなった。これが一番妥当だね!
選択画面で、ユーザー名を表示しないを選び、下にスクロールする。
「ん?個人情報…?」
そこには、追加項目で個人情報をいれるかどうか聞かれていた。
個人情報を入れないと、金はこのVEMに入るというのだが、パーティーメンバーに加入しづらいというのだ。
「別に…」僕はパーティーに加入しなくて良いかな…ちょっと口下手すぎて、無理だわ。あと、自分コミュ障だし。あと、個人情報入れたくないし。
あとを連呼し、選択画面でいいえを選ぶ。
『準備が完了しました。快適なVEMの旅をお楽しみ下さい。』
視界が明るくなる。ここはどこだろう。部屋かな?部屋らしきところから外を覗き込む。外はもう闇に包まれていた。ここは、現代と時間軸が一緒のようだ。つまり、今は夜の7時。もうちょっと明るくても良かったと思うが…
まぁいいか。僕は布団に潜る。結構無理をして仕事を終わらせたから疲れが溜まっていたのだろう。毛布の感覚を感じながら、眠りに落ちる。
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