エピローグ
「絶対に……あなたを助けます!」
「どうして……どうしてここに!?」
「銃声と悲鳴が聞こえたので、もしかしたらと思って……と、話はこれぐらいにして」
竜は急いでサキを肩に担ぎ、その場から逃げた。全速力で。
そんな彼をモンスターは追いかける。
「うおおおおおおおおおおおおおお!!」
鎧によって強化された身体能力で全力疾走する。
「黒川くん!降ろして!このままじゃあ、君まで!」
「大丈夫です。絶対に助けます。それに出口は見つけたんです!」
「それ本当!?」
「はい。あ、見えました!あそこです!」
走る竜の先にあったのは、開いてある大きな扉。
「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!あと少しいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
竜は閃光の如き速さで扉に向かった。
そして……扉を潜り、城から抜け出す。
モンスターは城から出ようとせず、扉の前で動きを止めた。
「セ、セ~フ……助かった」
竜がそう言った時、彼の目の前にウィンドウが出現した。
<><><><>
ゲームクリア!
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「ははは。ゲームクリアか。やりましたね、風林さん」
「……どうして?」
「どうしてって……なにがですか?」
「どうして助けてくれたの。あんな酷いことを言ったのに」
サキには分からなかった。竜が助けてくれたことに。
「助けたかったからじゃあ……ダメですかね?」
「なにそれ……そんなゲーム主人公みたいな台詞」
「でも本当に……本当に助けたかったんです。あなたを」
「!」
「俺はこのゲームで怖がっているあなたを……助けたかった」
その言葉を聞いて、サキは泣きそうな顔をする。
「……バカ」
「え?」
「バカバカバカ。黒川くんの……竜くんのバカ!」
「いきなり罵倒ですか!?」
「バカバカバカ!本当にバカ!」
サキは竜の胸を何度も殴る。
「もうなんなの!?いい男の子すぎるよ君は!バカだけど!!」
「最後のバカは必要ないような気が……あの、風林さん」
「サキ」
「え?」
「サキでいいわ」
「えっと……じゃあサキさん」
「なに?」
「あの時……怖がっているあなたに何も言えませんでしたが、今なら言えます。俺が……あなたを助けます。絶対にゲームオーバーにはさせません」
「……うん」
「一緒に……このゲームをクリアしましょう」
「うん。約束だよ」
竜とサキは指切りげんまんをする。
<<<>>>
「ふ~ん。おもしろいね。この二人」
テレビ画面に映る竜とサキを見て、笑みを浮かべる銀髪少女—――魔女。
「さて……次はどんなゲームにしようかな」
スキルプレイヤー~大切な人達が死ぬVRデスゲームに参加した少年は、ゲームクリアをし続ける!~ @gurenn1950
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