雪の降る中、少女がスコップで掘り出したのは「鉛の心臓」。それはかつて、幸福の王子の像が抱き続けたものだった。溶けていない事実を不思議がる少女に、傍らの少年は言う。「これは僕の"決意"だからね。」と……。童話を元に描かれた世界は儚げで、耳元には雪の降る音が聞こえてきそう。二人の結末を見届けたあと、もう一度読み返したくなる物語です。