4話「期待されすぎてて困る」

(チャイムの音)


「せんぱ~い、来ましたよ~。」


「おまたせしました。早くいきましょ~。まっだですか~。」


(扉を開ける音)


「こんなかわいこちゃんを待たせるのかと思いましたよ~。なんちて。」


「せんぱい。おはようございます!」


「はやく、いきましょいきましょ!」


(車のエンジンをかける音)


「今日は車だしてもらっちゃってありがとうございます。疲れたらすぐ休憩しましょうね。」


「あ、あと飲み物買ってきました。麦茶と緑茶どっちがいいですか?」


「麦茶ですね!はいどうぞ。」


「えへへ、どういたしまして。」


「気が利くだなんてそんな。ほめてもなーんにもでないですよ。」


「楽しみすぎて、準備しただけですよ!あ、準備したといえば、見てください!せんぱいとのデートのためにフリフリのワンピース買ったんですよ。可愛いでしょ?」


「デートじゃないですか!2人でお出かけなんですから~。」


「服は可愛い?服は、ってなんですか!服はって!まあでも、褒めてもらって嬉しいですよ。」


「せんぱいって、本当はどんな服が好きなんですか?わかってますよ~。可愛いって優しさで言ってくれたの。」


「え、ほんとに似合ってて可愛いですか?え、嬉しい。」


「もう満足したので帰ってもいいです!!まだ、博物館着いてもないですけど。」


「というか、楽しみですね。恐竜博物館!

なんだかんだ、ちっちゃい時ぶりですよ~。」


「せんぱいはどうなんですか?」


「せんぱいも大人になってからは行ってないんですね。おそろーい。」


「じゃあ2人とも久しぶりなんで、恐竜の名前クイズしましょうね!絶対ですよ!」


「わあ、ほんとに楽しみだなあ。」


「あの~、1個聞いてみたいことあるんですけどいいですか?せんぱいって、女の子と2人でお出かけとかするんですか?」


「いやいや、モテなさそうとかそういう意味で言ったんじゃなくて。」


(ぼそっと)

「せんぱいってもてそうだし。」


「ほんとにそうじゃなくて!あの、お出かけするとしたらどこ行くのかなぁって思って。」


「女の子と2人でお出かけとかめったにしないんですか?うそだぁ。」


「遊園地とか、水族館とか、動物園とか映画館とか。いろーんなところ行ってそうなのに!」


「じゃあ、じゃあ、私と、あの、ぜーんぶ行きましょ、ね?ね?」


「だ、だめですか?」


「考えといてくれるんですね?言質取りましたよ!わーい。ぜーんぶ楽しみです。」


「全部行ってくれますよね?ね?」


「だめなんてもう言わせませんよ!考えるって言っただけじゃないですってば。」


「行きましょうよー。おねがーい。」


「あ、せんぱいみてみて!パーキングエリア。私パーキングエリア好きなんですよ!行きましょ。」


「とりあえず、色んな所行くのは置いといて、パーキングエリアは行きましょ!せんぱいも疲れましたよね?なんか奢りますから!」


(車のエンジン音)

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