第29話 キャー!近づかないで変態!
扉を開けると、そこは玉座の間だった。
そして、玉座に誰かが座っていた。
その人物は俺たちを見ると立ち上がった。
「お待ちしておりました。ようこそいらっしゃいませ皆様」
玉座に座っていた男性が丁寧な口調で迎え入れた。
…ってなんじゃコイツゥゥゥゥ!
その男性を見たときの感想は…。
なんと言っても美形!
服装はタキシードで、清潔感のあるサラサラな髪質、知的そうに見える丸眼鏡、身長185センチくらいは余裕でありそうな高身長イケメン。
…などと褒めポイントを挙げていったらキリがないイケメン。
とにかくイケメン。
クソォォォォッ!
う゛ら゛や゛ま゛し゛い゛ぃ゛ぃ゛!(泣)
「お久しぶりですね、バンジキュウス」
「おひさ~、どもども~(棒読み)」
「果那輝海奈にマジダルイですか。お久しぶりですね」
バンジキュウスってこんな奴なの?
想像してたのと全然違うんだけど。
「あなた方が此処へ来られることは存じておりました。お名前だけ把握させていただきましたが、どうやら全員女性の方々のようですね」
ん?
「私は、昔からあまり女性が好きではございません。正直視界に映るのも目障りなものです」
もしかして女嫌いなのかな?
せっかくイケメンなのにもったいない。
「ですので、一刻も早く消えていただきたい。今なら見逃がして差し上げますが、どうしてもと言うのであれば…んぉ?」
バンジキュウスは一瞬間抜けな声を上げ、俺を凝視する。
え?
俺がどうかしたの?
「あ、あなた…お名前はなんとおっしゃるのですか?」
「え、俺?巫有澄だけど?」
俺が自分の名前を言うと、バンジキュウスは目を輝かせて叫んだ。
「巫有澄…、名前からして女性だと思っていましたが……なんと!男性だったのですかぁぁぁぁ!?」
え?何急に?
男性?どゆこと?
「ハァハァ、まさに美少年!美少年が目の前にぃぃぃ!(;´Д`)ハァハァ!」
バンジキュウスはハァハァ言いながらガンギマった目で俺に接近してきた。
すると、俺に壁ドンしながら顎クイまでしてきやがった!
ズッキュン♡
なんだろう…相手は同じ男のはずなのに…、
ドキがムネムネするわ!
もしかして…これが恋ってヤツなのかしら!
「巫有澄、あなたを一目見た瞬間、私の心は奪われてしまいました。どうか…私のものになってくださいませんか?」
キャー!告白されちゃったわ!
大抵の女ならこれでイチコロよ!
でも…ここはあえて少女漫画展開で行くわ!
「キャー!近づかないで変態!」
バッチーン!
ビンタしちゃったよ。
あぁ、イケメンフェイスに赤い手痕が…。
「フフフフ…美少年からの平手打ち…最っ高に興奮いたします!あぁ!ますます好きになってしまいました!」
あ、ヤベぇ…。
ガチの変態じゃん…。
ウチのパーティメンバーも結構ヤベぇ奴ら揃いだけど、コイツは別格だね。
しかも、今までの展開で察しただろうけど…。
「実は私、女性には微塵も興味はありませんが男性相手には最っ高に興奮してしまうのですよぉぉぉぉぉぉ!」
こいつホモだぁぁぁぁぁぁ!
せっかくのイケメンが無駄ぁぁぁぁぁぁ!
「もう我慢できません!有澄、私のものにならなければ、ナニをしてしまうか分かりません!至急私と駆け落ちましょう!」
しかも、メンヘラだぁぁぁぁぁぁ!
「うわぁっ!」
押し倒された!?
俺の上に乗ったバンジキュウスが喘いでいる。
「(;´Д`)ハァハァ、有澄、有澄!」
「な、なにすんの!?」
「ナニって、〇〇して、〇〇して、〇〇するだけですが?」
おぉい!
完全にアウトだよ!
…いや、それよりも気になることがある。
「ねぇ、〇〇のところ、勝手に(ピー)って効果音入ってるよね?それってどうやってるの?」
「え?気にするのそこですか?」
自主規制は大事だからね。
「それより、私と永遠の愛を育みましょう!」
「俺は別にアンタのこと好きじゃないんだけど!?」
このセリフ、ツンデレっぽくなっちゃった。
一方、外野はというと―――。
「へぇ、これがBLですかぁ…」
「アーくん…そんな!…男の人同士で…!」
「BL展開…ハァハァ…!これもアリ!」
「何を見せらてるんだワン…」
「ウチはとやかく言うつもりないけどね〜」
普段1番頭おかしいキラリンが、今回は1番まともだと!?
ていうか、見てないで助けて!?
バンジキュウスは俺を押し倒したと思ったら、俺の体をうつ伏せにして脱がして、ケツを無理矢理開いてきやがった!
俺、ナニされちゃうの!?
「それでは…!イキますよぉぉぉぉっ!」
「や、やめろぉぉぉぉぉぉっ!」
― 第30話に続く ―
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