第34話 つまんないのぉ〜

召喚陣から現れたのは、謎の生命体。


鷲の頭に獅子の胴体を見るにグリフォンだと思うんだけど、竜の翼と蛇の尻尾が生えてる。


まさに混沌(カオス)!


え?そうでもない?


「有澄くん、この子家で飼えませんか?」

「飼えませんよ、ウチにはハムスターが一匹いるんですから」

「余はペット扱いワン!?」


「いやアーくん、お姉ちゃんには分かる!これは高く売れるよ!」

「流石姉ちゃん!目利きいいね!」


そんなことをベラベラ喋ってるうちに、グリフォンは俺たち目がけて炎のブレスを放ってきた。

鳥の口から炎!

技も混沌(カオス)!


「はぁ~だるぅ」

クズゴミンは大きくため息をつくと


バチン!


ピューン…


ドゴォォォン!


グリフォンをデコピンで吹っ飛ばし、壁に激突させた。

グリフォンは絶命し、壁に馬鹿でかい穴が空いて青い空が見える。

あれ、もう終わり?


「つまんないのぉ~」

すいません。グリフォンさん、あなたにはクズゴミンのかませ犬になってもらいました。


とりあえず全部の罠を踏破したので、いよいよバンジキュウスとご対面。

というわけで扉を開ける。


―――――――――――――――――――――


扉を開けると、そこは玉座の間だった。

そして、玉座に誰か座っていた。

その人物は俺たちを見ると立ち上がった。


「お待ちしておりました。ようこそいらっしゃいませ皆様」


玉座に座っていた男性が丁寧な口調で迎え入れた。

…ってなんじゃコイツゥゥゥゥ!


その男性を見たときの感想は…

なんと言っても美形!


服装はタキシード、清潔感のあるサラサラな髪質、知的そうに見える丸眼鏡、高身長イケメン。


と褒め所を挙げたらキリがないイケメン。

とにかくイケメン。


クソォォォォッ!

う゛ら゛や゛ま゛し゛い゛ぃ゛ぃ゛!(泣)


「お久しぶりですね、バンジキュウス」

「おひさ~、どもども~(棒読み)」


「果那輝海奈にクズゴミンですか。お久しぶりです」


バンジキュウスってこんな奴なの?

想像してたのと全然違うんだけど。


「あなた方が此処へ来られることは存じておりました。お名前だけ把握させていただきましたが、どうやら全員女性の方々のようですね」


ん?


「私は、昔から女性があまり女性が好きではございません。正直視界に映るのも目障りです」


女嫌いなのかな?

せっかくイケメンなのにもったいない。


「ですので、一刻も早く消えていただきたい。今なら見逃がして差し上げますが、どうしてもと言うのであれば…んぉ?」


バンジキュウスは一瞬間抜けな声を上げ、俺を凝視する。


え?

俺がどうかしたの?


「あ、あなたお名前は?」

「俺?神薙有澄だけど?」


「神薙有澄…名前からして女性だと思っていたのですが……男性だったのですかぁぁぁ!!」




― 第35話に続く ―

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