第18話 色々見えちゃってますから!
「そうですか。星奈に会ったんですね」
「はい。自分のことは海奈さんに聞いてって言ってました」
今まで海奈さんのことについて聞こうとしたけど、ずっとのらりくらり躱されてきたからね。
ここではっきりしておきたい。
「ちなみに星奈とはどこで会ったんですか?」
「え?なんか俺の心の中にいるとか言ってましたけど…」
バッシャーン!
すると海奈さんは喜んだ顔をして立ち上がる。
いろんなとこが丸見えになっちゃったよ。
「やっぱり!有澄くんの中に星奈がいるんですね!やっと確証が持てました!」
「落ち着いてください!色々見えちゃってますから!」
「あっ、すみません。失礼しました」
「いや、それはいいんですけど」
「それとも…もっと見たいですかぁ…?」
「え、見ていいんですか!?」
「残念、時間切れで〜す☆」
「(´・ω・`)ショボーン」
海奈さんが浴槽に浸かっちゃったよ。
せっかく海奈さんのおっぱいをじっくり拝めるチャンスだったのに!
「私と星奈の関係でしたね。まず星奈についてですが、本名は果那輝星奈(はてなきせいな)です」
「果那輝?それって…」
「はい。星奈は私の妹です」
まさかの妹だったんだ!
どおりで似てると思った。
「ですが…実は星奈はもういないんです」
え?
いない?
「じゃあ…、俺の中にいるのは?」
「星奈の心ですね。魂のようなものだと思ってもらっていいです」
「星奈に何があったんですか?」
「討たれたのです。全神未到を統べる〈帝王〉という存在に」
「帝王?」
討たれた?
あんなに強い星奈が?
なんなのソイツ…。
「はい。実は私の最終目的は、全神未到を倒すことではなく、その帝王を倒すことなんです」
「海奈さんはその帝王とは戦ったことはあるんですか?」
「はい。私は敗れ、星奈も失いましたが」
嘘でしょ?
海奈さんと星奈で挑んでも勝てなかった?
そんなのどうやって倒すのさ?
「有澄くん、ありがとうございます」
「どうして急にお礼を言うんですか?」
「星奈は大切な私の妹でした。もう会えないと思っていましたが、有澄くんが星奈を宿していました。有澄くんのおかげで私はまた星奈に会えると分かったんです」
「じゃあ、あの時俺に話しかけたのも…」
「はい、有澄くんから星奈の気を感じたんです。やっと見つけたと思い、嬉しくて取り乱してしまったことは反省しています」
「いえ、別にいいんですよ。あの時は海奈さんがいなかったらやられてましたから」
…ん?てことは一目惚れってのは嘘?
「あ、一目惚れは本当ですよ?有澄くんの顔は私のすごく好みですからね」
フッ…、やっぱりか。
やっぱり俺って海奈さんが一目惚れするくらいイケメンということだ!
「フフフ…ハハハハハ!」
「あ、有澄くん?」
「やはりそうでしょう!分かっていますよ!俺が超絶イケメンということですね!あぁ…この美しすぎる顔も罪なものです!…さぁ、このご尊顔をとくとご覧ください!キラーン!☆」
俺は目の横にピースしてから、邪気眼のポーズを取った。
厨二病ポーズ再臨です。
「有澄くん…」
海奈さんがイタいものを見るような眼差しを向けてきた。
…俺の心が痛いです。
てか、海奈さんの好みの顔ってだけで、俺の顔が一般的に見てイケメンっていう絶対的な確証はないんだよね…。
あれ?そういえば一番肝心なことを忘れてるような…?
…あ、そうだ!
星奈が俺の中にいる理由だよ!
「それが星奈の心が俺に辿り着いたことにどう繋がるんですか?」
「そうですね。それには少し前の話をしましょうか」
やっと聞けるのか。
海奈さんの秘密が。
あ、でもその前に―――。
「海奈さん、早く風呂上がった方がよくないですか?顔真っ赤ですよ」
海奈さんの顔が茹でダコのように真っ赤になっていた。
「ふぇ〜?ほぅへふかぁ〜?」
(えぇ〜?そうですかぁ〜?)
もう呂律も回ってないじゃん!
「完全にのぼせちゃってますから!」
― 第19話に続く ―
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます