第14話 この程度かい?

「誰の胸と尻がぺったんこですって〜😠!?」

あれ?

あの子が喋ってる?


「びっくりしたぁ!君はどこにいるの?」

「君の中にいるから大丈夫。私といれば絶対に負けないから」

「すごい自信だね。」


でも、本当に滅茶苦茶強くなってる気がする。

この子が何者かは知らないけど、今は力を借りるとしようか。


「さっきから1人でゴチャゴチャうるせえ!

さっさと灰になりやがれ!」

また奴は超絶爆破を起こす。

それに対し、俺はそれを小指で消し潰す。


やっぱり全然手応えがない。

さっきの爆破で大ダメージを受けたのが嘘みたいだ。


「1人?君とは普通に会話してるけど、俺の声って今どうなってるの?」


「変わってないよ。私の声は君にしか聞こえてない。つまり、あっちから見たら君は独り言の激しいイタい人に見えてるわけ」


「そういう悲しい情報を言うのはやめて」


「は!?なんだよ!テメェさっきとは強さが全然違えじゃねぇか!」


「なんでだろうね、俺には分かんないや」

「強いのは“君”の方じゃなくて“私”。勘違いしないでね」


わかってるよ。悪かったね雑魚で。


「面白ぇ。アタシも本気でいくぜ。」 


そう言うと、奴の全身に力が込められる。

さっき俺が掌でやったみたいに、全身から力を放出する感じかな?


「灰燼に帰す」


うん、やっぱり今までの爆破がショボいと思えるほどの威力。

この子が宿ってない状態でこれ喰らったら、完全に終わってたわ俺。


でもこれも小指1本で軽く押し潰せる。

「この程度かい?全神未到」

全神未到に対してドヤれるとか気持ちいぃ〜。


「君の力、本当にすごいね」

「そうでしょ、すごいでしょ!あ、そうだ!

試しに指パッチンでもやってみてよ!」

「指パッチン?なんで?」

「いいからいいから」


言われるがままやってみる。

すると、意味不明な威力の超絶爆破が発生し、カイジンニキスは灰燼に帰した。

身体中ボロボロであちこちから血が出ている。

多分立ってるのもやっとな状態だね。


「舐めやがってっ!もう許さねぇ!」

奴はブチ切れて、全身に灰燼を纏う。

すると、奴が負った傷は治癒されて元通りになり、力が増していく。


今度こそ、全身全霊を込めた一撃が来そう。

てかこの灰燼、治癒能力まであるんだ。

便利だね。

ま、治しても意味ないんだけど。


「それじゃ有澄、やっちゃうよ〜!」

「やっちゃおうか」

俺は左眼を開眼する。


右眼は…開かなくていいや。

片目だけで十分でしょ。

俺と彼女の水色に煌めく瞳から凄まじくも美しい光が放たれる。


そんな俺を見た奴は恐れ慄いていた。

「な、なんだよソレ」

「俺に喧嘩売ったこと後悔するんだね」




― 第15話に続く ―

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