第8話 パーティー結成だね!

天上院輝羅莉ことキラリンが家に来てから今日で3日。


キラリンと住むということは、それなりに悪い予感がしてたけど、それは見事に的中した。


「余は腹ペコだワン!ヒマワリの種もっとよこせワン!」

キラリンのドタバタ走る音が響き渡る。


「うるせぇぇぇぇぇぇ!」

「まぁまぁ、アーくん。朝からそんなに怒らなくてもいいじゃない」

なんで姉ちゃんそんな落ち着いていられるの?


そう、キラリンはめちゃくちゃ騒がしい。

そして走り回るから、たまに家が壊れることもある。


家の壁を引っ掻いて八つ裂きにしたり、パンチで穴開けたりは日常茶飯事。

その度に、回復魔法や時間逆行魔法を使う羽目になっている。


「有澄くん、有沙さん、キラリン、朝ご飯できましたよー!」

今日も海奈さんが朝食を作ってくれた。


今日のメニューはベーコンエッグ。

キラリンだけヒマワリの種とベーコンのバター炒め。

キラリン、ヒマワリの種以外も食べるんだ。


ピンポーン。

インターホンが鳴った。


「アーくん!おっはよー!今日もキラリンで遊ばせて!」

リンちゃんが遊びに来た。


リンちゃんにキラリンを紹介した時、最初は驚いてたけど、よく分かんない女子トークですぐ仲良くなったようだ。


てか、キラリンで遊ばせてって言ってたよね?

リンちゃん、キラリンのこと遊び道具だと思ってるの?


「あ、凜華!来てくれたんだワン!」

「当たり前だよ!あたし達友達だもん!」

遊ばせてとか言ってた人が何言ってんだか。


「そういえばキラリンってギルド所属らしいけど何の役職?」

「魔法戦士だワン!」

「魔法戦士?ならちょうどいいね。」

「どうしたんだワン?」


「俺は勇者。リンちゃんは魔法使い。キラリンは戦士。これ何か気づくことない?」

すると、姉ちゃんが、


「まさか、ハーレム!?もう、アーくんってばエッチ!」

「ちがーう!なんでそうなるの!?」

「え?違うの?あ、そうだね。その中にお姉ちゃん入ってないもんね!」


あ、そういう話?


「そうじゃなくて!俺たちでパーティーを組もうって話!」

「パーティーだワン?」

「あたしたちで?」


「私が入ってないじゃないですか」

海奈さんがツッコんだ。

だってあなた、1人でも余裕でしょ。

パーティー組む必要なくない?


「言っておきますが、私が戦ってきた中には私よりずっと強い相手もいましたからね」

…マジで?

そいつら人間じゃねぇ!

そもそも海奈さんって人間なのかな?


「あ、そういえば忘れてましたけど、海奈さんは何者なんですか?」

「………」

海奈さんは少し沈黙した後、

「それを言うのはまだ早いですよ」 


どういうことだろう?


「アーくんがパーティー作るなんてお姉ちゃん感激!」

「あたしたちのパーティー結成だね!」

「楽しみだワン!」

何がともあれ、これからこのパーティーで頑張っていきますか。


「それで有澄くん、パーティー名はどうするんですか?」

「フフフ…そのセリフを待っていました」

パーティー名を付けるのに、ネーミングセンスは非常に重要。


カッコつけた挙句、かえってダサい名前になるパターンも少なくない。

今こそ俺のネーミングセンス見せてあげよう!


「パーティー名は… 有澄くんのスーパーハイパーアルティメットウルトラミラクルパーティーにしたいと思います!」


「………」


あれ?


「アーくん…」

「だせーワン」

馬鹿な!?俺のネーミングセンスは完璧だったはず!?


「じゃあ、海奈さん達もアイデアお願いしますよ!」


「海奈さんのラブリー♡ホテル教室、とかどうでしょう?」

なんですかそのライン越えちゃいそうな名前。


「リンちゃんの脳筋魔法使い軍団!」

脳筋はいらなかったなー!


「超絶かわいいキラリン様を崇める会がいいワン!」

死んでも却下だね。


結局、それぞれ考えた名前を組み合わることにした結果、パーティー名は

「海奈さんの魔法使いパーティー」

に決定した。


「余のアイデアが入ってないワーン!」




― 第9話に続く ―






〈 キャラプロフィール 〉

名前  天上院輝羅莉

    (てんじょういんきらり)

年齢  18歳

誕生日 7/7

身長  150cm

職業  魔法戦士

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