第6話 …グヘヘヘへへへ!
「…ナニコレ?」
姉ちゃんが唖然としている。
…まぁ当然の反応だよね。
帰宅後、メッソウモナイ討伐の報酬として貰ったヒマワリの種を、俺たちとリンちゃんで半分ずつ分けた。
半分だってのに馬鹿みたいな量だね。
ヒマワリの種の風呂作れちゃうよ…。
てか温泉にぶち込んでも溢れ出る量だよ…。
これマジでどうしよう?
売却する?
でもこんなの大量に欲しい人いるかね?
ぶっちゃけ食用としても観賞用としても使えるんだけど、これは流石に多すぎる。飽きる!
とりあえず、買い取ってくれそうな人を探すことにしよう。
「もぐもぐ…。これ、意外とおいしいですね」
海奈さんが、ボリボリ食べ始めた。
こらこらこら、売却額が減っちゃうでしょう。
ただでさえ相場安いんだから。
「ヒマワリの種を食べる海奈ちゃん…ハムスターみたいでかわいい〜!♡」
「…姉ちゃん?なに言ってんの?」
「だって、こんなボロボロの薄汚い服を着たホームレスの美少女が、ヒマワリの種だなんて、普通の人は主食にしないようなものを
興奮してる割には、めっちゃディスってるようにしか聞こえないんだけど?
…てか、姉ちゃんってこんなSだったっけ?
すると、姉ちゃんがある提案をした。
「そうだ!今日は海奈ちゃんの服を買いに行きましょう!」
「え、いいんですか?服がこれしかなくて困ってたんです!」
そういえば海奈さん、風呂には入ったけど服は昨日会った時からそのままだね。
たまには服買いに行くのもいいかもね。
それにしても…今日は海奈さんのファッションショーが見れるのか…。
楽しみだぜ。
…グヘヘヘへへへ!(ゲス顔)
「…グヘヘヘへへへ!」
「アーくん、声出ちゃってるよ」
おっと、いけないいけない。
「お買い物、楽しみです♪」
海奈さんには察せられてないみたい。
よかったぁ…。
「察してませんよ。確信してますから。表情からバレバレですね」
また心を読まれた!?
てかバレてた!?
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
…ということで、転移魔法を使用し、0秒で服屋に到着しました。
「へぇ〜!ここが服屋さんですかぁ〜!」
「好きなの選んで!いくらでも買ってあげるからね!」
「姉ちゃん…ウチにそんな金ないでしょ…」
「あ、アーくんも何か欲しい服ある?安心して!アーくんのためならお姉ちゃんいくらでも仕事増やしてお金稼いであげるから欲しいものあったら遠慮なく言って…」
「海奈さん、行きましょう」
「はい!」
「いや〜ん!♡スルーされちゃったぁ〜!♡」
―――――――――――――――――――――
「いいよ、海奈ちゃん!すっごくかわいい!」
服屋に入って数分で海奈さんはすっかり着せ替え人形扱いされていた。
やっぱり海奈さんは美人だから、何着ても似合うなぁ…。
清楚系、カジュアル、ボーイッシュ、どんな服も着こなしてしまう。
「海奈ちゃん!次はこれ着てみて!」
姉ちゃんが次に持ってきた服は…。
「どう?ウチ、マジイケてっしょ?」
海奈さんがギャルピースしながら言った。
そう、これはギャルコーデ。
もちろん超絶美人なんだけど…清楚系の海奈さんがギャルってんのはなんか嫌だぁぁぁぁ!
「海奈さん!次はこれ着てみてください!」
俺がオススメした服は…。
「有澄きゅ〜ん、私かわいい?何か言ってくれないとぴえ〜ん!🥺」
そう…地雷コーデ!
しかもめっちゃ露出激しいやつ!
「有澄くん、これスカート短すぎません?」
海奈さんが超短いスカートを押さえて、恥ずかしそうに言った。
フッへへへ…。
もう少しで見えそうですねぇ…。
「なんならもっと短くてもいいですねぇ~…」
おっと、鼻血出ちゃったよ。
―――――――――――――――――――――
「お買い物、楽しかったですね〜!」
結局、海奈さんに一番似合いそうな清楚系コーデを購入。
俺は、あんまりオシャレに興味ないので部屋着のパーカーを購入。
ちなみに「働いたら負け」とか書いてあるヤツ。
あ、姉ちゃんも何か買ったみたいだね。
「姉ちゃんはどんな服買ったの?」
「ふふふ…これだよ!見て!」
姉ちゃんの持ってる袋には、さっき海奈さんが試着したギャルコーデと地雷コーデが入っていた。
「…これ、姉ちゃんが着るの?」
― 第7話に続く ―
〈 キャラプロフィール 〉
名前 巫有沙
年齢 24歳
誕生日 3/3
身長 160cm
職業 ギルドの受付嬢
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