第5話 海奈さんTUEEEEEEF!!!
…なんて聞いてもらえるわけもないので、俺はシコエロン戦に使用した時より強力な防御を誇る
「
俺に合わせて、リンちゃんは、
この剣は名前の通り、永久不滅、命なき者、全知全能だろうと確実に葬る。
よし、勝った!これは勝った!
ざまあみやがれバカヤロー!
しかし、それに対抗するようにメッソウモナイが大鎌を振り下ろす。
すると、俺が展開した
「ふむ、人間にしてはやるな。…だがこんなもので俺を葬るつもりでいたのはなかろうな?」
あっれぇ〜?
おっかしいなぁ〜?(・ัω・ั)
渾身の一撃放ったのに〜。
やっぱり俺YOEEEじゃん!
「こんな薄い結界、何度展開しようが無駄だ。
今度は貴様らもまとめて引き裂いてやろう」
奴がまた大鎌を振る。
再び
奴の斬撃が俺の斬撃を引き千切り、俺とリンちゃんに襲いかかる。
ヤバい、斬られる…。
…と思ったその時、海奈さんが奴の放った斬撃を小指で押し潰していた。
「おぉ!やっぱ海奈さんTUEEEEEEF!!!」
「最後Fになってませんでした?」
「ほう、俺の斬撃を受け止めるとは」
「有澄くんと凜華ちゃんを斬ろうとしたということは、あなたも斬られても文句は言えませんね?」
「俺を斬る?やれるものならやってみ―――」
言い終わる前に、海奈さんは武器どころか、手すら使わずに奴の身体をバラバラに切り裂いていた。
「ふむ…少しはやるようだな…」
なんだコイツ余裕だな。
まぁ俺も身体斬られたくらいじゃどうってことないけどさ。
「だが…これで終いだ」
突如、奴の赤い瞳が不気味に光り、とんでもない殺気を放つ。
これは…ちょっとまずいですね…。
「ヒィィッ!?無理無理無理!あたし帰る!」
あ、リンちゃんが逃げた。
どこへ行こうというのかね?
「で…出口どこぉぉぉぉぉぉ!?」
そして、一人で勝手に迷ってる。
そんなことしてるうちに、大鎌はさらに巨大化し、とてつもない力が込められていく。
さっきより強力な一撃が来そう。
「海奈さ〜ん!☆助けてくださぁ〜い!☆」
「もぉ〜!♡有澄くんってば~!♡しょうがないですね〜!♡」
俺のダサい懇願も聞き入れくれる海奈さん。
俺が頼めば何でもやってくれるんじゃないの、この人。
「では、私も鎌で応戦しましょうか」
そう言ってた海奈さんは鎌を顕現させた。
あれ?
なんかやけに小さいなぁ…。
…ってこれ草刈り用のやつじゃん!
「くたばれ」
メッソウモナイは勢いよく鎌を振り下ろす。
予想通りすごい力だ。
…にもかかわらず、海奈さんは草刈り用の鎌で奴の鎌を一方的にへし折り、首ごと切り落とした。
…マジか。
メッソウモナイの首から下は地に倒れ伏し、完全に消失した。
「おのれっ…!許さぬっ…!」
首だけになった奴は怒りの表情を浮かべる。
瞳の赤い光が輝きを増し、目が血走っていた。目全体が真っ赤に見えてなんか怖い。
あと、生首で喋るのも怖いからヤメて。
「諦めが悪いですね。首だけになったというのにまだ懲りませんか?」
奴が開眼すると、辺り一面も真っ赤に染まる。あれ、さっきの斬撃よりヤバくない?
「俺の瞳に映ったことを後悔するがいい」
「にらめっこのつもりですか?いいですよ」
「図に乗るな。貴様ごときが―――――――」
「貴様ごときが……なんですか?」
奴と海奈さんの目が合った途端、音もせず奴の顔が砕け散り、跡形もなく消し飛んだ。
海奈さん、流石です。
めっちゃ恐るべしです。
「結局この程度ですか。面白くないですね〜」
…最後の言葉くらい言わせてあげて。
メッソウモナイが討たれたことにより、奴の支配領域も崩壊し、俺たちは人間界に帰ることができた。
「え、何が起こったの?どうやってあんなやつ倒したの?」
リンちゃんは海奈さんのあまりの強さに呆然としていた。
俺と同じ反応だね。
「まぁ帰ってこれたんだし、いいんじゃない?」
それより、こんな偉業を成し遂げたんだから、この報酬だけで億万長者間違いなしだね。
よし、受付嬢に報告に行こう!
俺たちはギルドに戻った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「報酬はヒマワリの種1年分でぇ〜す☆」
…は?
ふざけんな現金よこせやぁぁぁぁ!
俺たちはハムスターじゃねぇんだぞぉぉぉぉ!
受付嬢にこのことを伝えると、報酬として馬鹿みたいな量のヒマワリの種を渡してきた。
しかも、言い方がやけにハイテンションすぎて超絶ウザい!
てか、これ何に使うの?
こんなの食って1年過ごせと?
ハムスターにでもなれと?
「こんなの貰っても困るよ!」
いいぞ!リンちゃんも言ってやって!
「あたしの家、こんなにヒマワリ育てられるほどの敷地ないから!」
そっちかよ!
「なるほど、ヒマワリの種を食べ続けることでハムスター精神を鍛えるんですね!」
海奈さん、天然かよ!
てか、ハムスター精神って何!?
「え、現金もらえないの?」
「すみませ〜ん☆ギルドは今赤字なので現金は支給できないんでぇ〜すっ☆」
受付嬢は煽り顔でぶりっ子ポーズを取ってきた。
「そこをなんとか!」
「御免御免(*ノω・*)テヘ」
クソ受付嬢の渾身の煽り顔にブチ切れた俺は遂に叫んでしまった。
「クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
― 第6話に続く ―
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