第2話 果那輝海奈と申します
突然現れた女性に討ち取られたシコエロンは、
完全に消え失せた。
チート能力を雑魚扱いするほどの強さを持つシコエロンをいとも容易く…何者だよこの人。
それにしてもこの人、俺の好みドストライクだね。見た感じ年齢は俺より少し年上くらいかな?
ツヤツヤの長い青髪に、あまりにも美しい顔立ち、清楚なお姉さん系。
そして…!
おっぱいDEKEEEEEEE!!!
その女性は俺の顔を見ると、満面の笑みで話しかけてきた。
「お名前を教えていただけませんか?」
「えっ?巫有澄…です」
「有澄くんですね!私は
意外とキラキラネームっぽいんだね…。
てか語尾に♡がついてるように聞こえたのは気のせいかな?
「そ・れ・で!今帰りですか?今から時間ありますか?ちょっと今から私とお茶しませんか?あ、それとも〜、ホ・テ・ル?♡」
初対面でホテルのお誘い?
何言ってんの?
「あの…急にどうしたんですか?」
「すみませ〜ん!♡あなたを見た瞬間に〜…運命感じちゃいました〜!♡」
あ、この人見かけによらずヤベェ人じゃん。
逃げた方がよさそう。
「助けてくれてありがとうございました〜。それじゃ、俺はこれで失礼しまぁ〜す☆」
「逃しませんよぉ〜♡」
捕まっちゃったZE☆
「あのぉ〜、帰りたいんですけどぉ〜?」
「実は私、お金がなくて住む家がないんです」
もしかしてホームレス?
と言っても俺が何か手助けできるわけでも…。
「でも家がないと生活ができないんです!」
あれ?
この流れって…。
…まさかラブコメみたいに、お家イベント的な展開にはなんないよね…?
「私の住む家が見つかるまであなたの家に泊めてくれませんか?」
マジかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
ラブコメ展開になっちゃったよぉぉぉぉぉぉ!
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
結局、どこまで逃げても海奈さんは追いかけてきて、家までついてきやがった。
普通にガチストーカーじゃん!
「へぇ〜!素敵なお家ですね〜!」
「ちょっと待っててください。晩ご飯用意してきますから」
5分後…。
「今夜はペ〇ング焼きそばです!」
カップ麺っていいよね。
うまいし作るの簡単だし。
体に悪いことは分かってるんだけど、やめられないね。
ここのところ毎日食べてるよ。
「これ…カップ麺ですよね」
「そうですけど、焼きそばとか嫌いですか?」
「そうじゃないんですけど、有澄くん、最近カップ麺続きじゃないですか?」
心を読まれただと!?
「なっ…何故それをっ!?」
「だってあそこのゴミ箱に大量のカップ麺が積み重なってますから!」
ゴミ箱を見ると、大量のカップ麺が俺の身長に追いつくくらいの高さまでぶち込んであった。
「うわぁぁぁぁぁぁ!」
いや、捨てる途中で気付けよ俺。
「カップ麺ばかり食べてると体に悪いですよ!全くもう!」
「ハイ、スミマセン…」
「というわけで、私晩ご飯作りますよ!」
「えっ?…なんですかぁコレ!」
0秒後、いつの間に作ったのか我が家のテーブルには高級料理が並んでいた。
松阪牛のステーキ、フォアグラのソテー、南魚沼産コシヒカリを使ったチキンライス。
おいおい、ウチの冷蔵庫にこんなのなかったじゃん。
もしかしたら見た目は完璧だけど味は大したことなかったりして…うまいだと!?
うまい、うまい、うまい、うまい、うまーい!
「これ、どうやって作ったんです?」
「私の能力のほん一部です!思い浮かべるだけで理想を即座に具現化できます!」
「あ、その能力俺も持ってますよ。でもさっき雑魚扱いされたんですよね」
ん?そういえば忘れてた。
「海奈さん、あれはどういうことですか?」
「あれ…とは何でしょうか?」
「さっきシコエロンを瞬殺してたじゃないですか!俺のチート能力が全く効かなかったのに、あなたの強さおかしいですよ!」
俺は今までどんな相手でも無数のチート能力で雑魚扱いしてきたのに、逆に雑魚扱いされるなんて初めてだった。
でもこの人はそんな奴を瞬殺したんだ。気にせずにはいられない。
「そうですね、私のことを紹介するにはまず
シコエロンについても話しておきましょうか。」
そう言って彼女は語り始めた。
「まず、シコエロンの正体ですが、〈全神未到〉と呼ばれる神を超えた存在です。…と言ってもこの呼び名は彼女に恐れ慄いた神々や悪魔たちが勝手にそう名付けただけですけどね」
「ぜ、全神未到?神を超えた存在?」
エ、ナニソレコワイ。
「はい、有澄くんが今まで戦ってきた相手に神はいましたか?」
「まぁ、邪神とか破壊神とか最高神とかは普通に相手してました」
「そのような神々ですらシコエロンの足元にも及びません」
マジで?最高神は全知全能だったはずだけど?シコエロンそんなヤバい奴なの?
それにしても“全神未到”…ね。
「全ての神が未だ到達できない」って意味なのかな?
「じゃあ、そのシコエロンを瞬殺した海奈さんは何者なんですか?」
「私は…」
― 第3話に続く ―
〈 キャラプロフィール 〉
名前 果那輝海奈
年齢 不明
誕生日 不明
身長 159cm
職業 不明
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