チート能力が雑魚すぎる世界 〜俺のチート能力、雑魚ですか!?〜
神薙アリス
第1話 クソがぁぁぁぁぁぁ!
さて、突然だが皆さん「クソ」という言葉、どのような場面で使っているかな?
そんなことをトイレの便器に座りながら語っているのが神薙有澄(かんなぎありす)。
まぁ俺のことなんだけどね。
学生ならテストで赤点を取ってしまった時や部活の大会で負けてしまった時、社会人なら仕事で遅刻してしまったり、重大なミスをしてしまった時に「クソッ!」とか呟いたりするだろう。
はたまた、ソシャゲをやっている人はガチャで爆死したり、敵の理不尽すぎるギミックにブチ切れて「クソがぁぁぁぁぁぁ!」とか発狂してしまった経験があるんじゃないかな。
しかし、これらは全てクソの使い方を間違っている!
何故ならクソを漢字で表記すると「糞」。
そう!「ウ〇コ」と同義だからである!
つまり、もしもウ〇コした後にトイレットペーパーがないことに気付いても「クソが!」なんて言うのは間違っているわけで…
…紙ねぇじゃん。
「クソがあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
さて、自己紹介をしよう。
さっきも言った通り俺の名前は神薙有澄。年齢は18歳。職業は勇者やってます。
え?勇者?
何それ厨二病こじらせてんの?www
とか思ったよね?
絶対思ったよね?
勇者って聞くと異世界ファンタジーの世界ってイメージが強いだろうけど、なんとこの世界には勇者という仕事が存在するのです!
そして肝心の仕事内容はというと…
現在、実質フリーター。
本来なら人間界に危害をもたらす悪の存在を討伐するのが仕事なんだけど、今は依頼が全然来ないんだ。
何故って?
俺が一人でほとんど討伐しちゃったんだよ!
だって俺は数え切れない程のチート能力を持つ最強の勇者だから!
例えば、時空を自由自在に操るとか、絶対に攻撃を無効化する結界を張ったりとか、理想を現実にしたりとか、宇宙を無限に滅ぼす、とかは朝飯前かな。
このチート能力のおかげで、魔王も邪神も余裕で討伐!
仕事もなくなっちゃったけど。まぁ報酬はたんまり稼いだし、少しの間なら無職でも生活できるよね。
よし、マ〇クでも食ってから帰ろう!
そんなことを考えてた矢先、空から異界の扉が開き、中から何かが現れた。
出てきたのは人間の女性?
赤い長髪に鋭い目つき、そしてやたら露出度が高い服装をしてる。
そして…おっぱいがデカい!
ブルンブルン揺れてるよ!
いや、そんなことよりなんかヤバい気がする。間違いなく今まで戦った奴よりも遥かに強い。このままでは人間界が危ない。
仕方ない。
今回もこの有澄様がさっさと片付けてあげましょう!
俺が勇者の剣を手にすると、奴は口を開く。
「我が名はシコエロン。お前が勇者だな?」
ハレンチな名前してますねぇ。
「そうだよ、俺に何か用?」
「数多の異界の強き存在が討たれ続けていると聞いたのでな、全宇宙の記憶〈アカシックレコード〉を覗いてみたらお前の存在が明らかになった。そこまでの強者なら少しは私を楽しませてくれると思ったのだ」
「つまり俺と戦うためだけに来たと」
「そういうことだ」
「後悔しても知らないよ?」
「その余裕も今だけだ」
その刹那、奴が腕を振り上げたので、俺は咄嗟に多次元結界を張る。この結界は非常に防御力が高く、多元宇宙を破壊する力がなければ破壊はまず不可能。勝ったな!
と思ったのも束の間、多次元結界が紙くずのように破られた。嘘やん。
ならばこちらが猛攻撃するだけ。攻撃は最大の防御ってね。俺は勇者の剣で奴を斬りつける。ちなみに斬るといっても直接当てなくていい。この剣の攻撃範囲は空間を無視する。
さらに斬りつけた相手の魂そのものを斬り裂く性質がある。つまり相手の前世・現世・来世もろとも消滅するため転生も不可能。勝ったな!
と思ったのも束の間、俺の剣が粉々に砕かれていた。コイツ、俺の攻撃を指1本で受け止めやがった。嘘やん。
「俺の能力が効かない!?俺YOEEEEEE!」
あれ?そういえばなんで俺は倒れてるの?
気付いた時には俺は吹き飛ばされ、地に倒れ伏していた。体は血まみれで身動きが取れない。
「なんだこの程度か、期待外れだな」
奴が大剣を手に取り、近づいてくる。
え、これで終わり?
1話で主人公退場?
最後を覚悟し、俺は目を瞑る。
でも最後に一言言わせてくれ。
「クソがぁぁぁぁぁぁぁ!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
あれ?やられてない。
てか傷が治ってる?不思議に思い、顔を上げてみたら、一人の女性が俺の前に立っており、シコエロンの大剣は砕かれ、奴の首は討ち取られていた。
「この私が敗れる…だと」
「相手になりませんね」
☆ これが俺と彼女の出会いだった ☆
― 第2話に続く ―
〈 キャラプロフィール 〉
名前 神薙有澄(かんなぎありす)
年齢 18歳
誕生日 11/11
身長 169 cm
職業 勇者
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます