Folge.15:会談
「この扉の奥が今回の会談会場となります。」
二人の背の高い兵士が扉の左右にMKb42のような銃を構えて立っていた。扉は木でできており、上には
彼らは私を見ると右手を斜め上に挙げ、敬礼した。
「「
その瞬間、私は察した。ああ、なるほどなと。我が帝国の計画は既に始まっていたらしい。どうやら私にも知らせずに本国の方で秘密裏に行われていたのであろう。流石は
「
私も右手を挙げ、通常通り敬礼を返した。
ん?なにか忘れている気がする・・・・・・
――あっ!しまった!
マリアの存在を忘れていた。私は即座に腰に装備していたルガーP08を取り出し、マリアに向けた。
そして殺気を込めて言う。
「声を出すな、出すと今すぐ撃ち殺す。両手を挙げろ。」
マリアは途端に顔を青ざめ、私の言う通りに両手を上に挙げた。
「そのまま腹を壁に当てて背中をこっちに向けろ、怪しい行為をすると撃つ。」
マリアはゆっくりとした足取りで私の言う通りにする。恐怖で縛られているらしい。
しかし、その途端、マリアは何かブツブツとつぶやき始めたのだ。
「”風の精霊よ!今私の願いに―パァン!カラン
―パァン!カランパァン!カラン
私は即座に引き金を引いた。
マリアの鮮血が舞い、銃声と落ちる空薬莢の音があたりに響く。
マリアは私が頭を一回、胴体に二回撃ったので確実に死んだことだろう。
マリアの血溜まりがどんどん広がっていく。
私は確実に死んだと思うが念には念をいれるためだ。もう一度ルガーP08を構える。
―パァン!カラン
もう一発頭に入れた時だった。
―ドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!
銃声を聞きつけたのかこの城の兵士達が辺りから私達が居るところに向かってくる音がする。
しかもこの先の扉には会議場があり、そこに外務大臣やら宰相やらが居るだろう。当たり前だが、この騒ぎは聞こえているはずだ。勿論会議場にも兵士が居るはずである。
つまり、今現在の状況は非常に不味い。
私は親衛隊員を見る。
彼らは焦らず、ボソボソと何か無線で言っていた。どうやらこれも計画の内らしい。良く考えてみると総統はここまでお見通しだったことに気づいた。
ハハッ、撃ち殺した本人である私だけが焦っているのがバカバカしい。
「ヴィルヘルム大臣、今から横の窓を割り、緊急脱出します。位が釣り合いませんがどうか我らの指示に従ってください。これは総統命令です。」
「了解した。」
ふと思ったのだが何故か直ぐ側にあるはずの大きな扉が開かない。まさかこの扉にも小細工が仕掛けられているのか?
「ああ、ヴィルヘルム大臣。扉が開くご心配は要りません。この扉には第三帝国の技術を使い、一時的に開かないよう、壊されないよう細工してあります。」
やはりだった。もう驚かまい。
―パリィン!ガシャン!
思ったよりも早く窓が割れた。質が悪いからだろうか?
親衛隊員は臆することなく窓のから飛び降りた。私も後に続いて飛び降りる。
体には浮遊感が漂うがそれは一瞬だった。
―バババババババババ!!!
ヘリの音が聞こえ、すぐさま拾われた。
機種はフォッケ・アハゲリス Fa 223だ。てかそれしか無い。
「Heil Hitler、ヴィルヘルム大臣。このまま神聖ヴァルトグロース帝国ドイツ第三帝国戦略支部まで飛びます。飛行時間は約50分。その間に総統命令を読み上げます。」
「頼んだ。」
「では読み上げます。”ヴィルヘルム・ライングラーフドイツ第三帝国外務大臣に私、アドルフ・ヒトラー総統から命を下す。貴方は我がドイツ第三帝国
「了解、総統命令を遂行する。」
一つ言うことがある。
我らドイツ第三帝国は端から会談
それはまさに――
――ゲルマンの悪魔の所業である。
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