Folge.11:会談―調査②―
案内された場所はまさに戦争博物館と言える場所だった。
「これが初代帝国空軍、当時の呼び名は翼竜空挺部隊というものでして、主にワイバーンに乗ってブレスなどでの攻撃をしていました。」
この博物館でまず分かったことが、この帝国は歴史が長いということだ。元々一昔前までは王国だったらしく、この帝国主義の時代に入ると急激に領土を拡大したらしい。それに伴い軍の改革や国号の変更、王族の政権交代などが起こったのだと言う。
「金属物質になったのはいつからですか?」
「それは丁度50年前くらいで、現皇帝陛下がまだ王太子だった頃に軍拡改革案を当時の国王陛下に提出し、それが認められてからです。」
ということは、シュヴァルツェ二世が初歩的な飛行機を作るというような過程を飛ばして、最初から金属で作るような飛行機を思いついたということになるな。しかし、それでは”飛ばない”という問題に躓かなかったのかという疑問が頭に浮かんだ。
「どうやって飛ばしてるんですか?」
「はい、魔法で・・・・・・というか貴国も魔法で飛ばしているでしょう。からかわないでください。」
「からっかってなんかいませんよ。我が帝国には”魔法”なんか存在しません。飛ばし方は科学と物理に沿った法則で飛ばしています。」
「すいません、カガクとかブツリとか言われても理解できませんが、魔法が存在しないとは?」
「その意味のままです。私含め我が帝国の国民、人は魔法などという超常現象的な物を行使することはできません。概念はありますが全て空想上、或いは神話上のものです。」
シュトルは驚いた表情をした。
「そ、そうなんですか・・・・・・ということは魔力や魔素、魔力、魔素を持っている動物である魔獣、魔物もご存じないと?」
「はい。しかし驚きましたよ。まさか飛ばし方が”魔法”と言う摩訶不思議なものだったと。良い勉強になりました。」
「いえいえこちらこそ魔法が魔力が魔素が無い、知らないという貴国が興味深くなりました。ぜひとも次は私から行ってみたいですね。」
「ぜひ。我がドイツ第三帝国は歓迎しますよ。」
◆◇
「こちらが、帝都徴兵ギルドになります。軍拡改革が起きる前は冒険者ギルドという名前で、主に冒険者と呼ばれる職業の方の依頼を受理したり与えたり売買すると言うような窓口でしたが現在は冒険者と呼ばれる職業は廃止され、全て国民兵という職業に統一されました。それに伴い冒険者ギルドは無くなり、この様な形になりました。主な役割はあまり変わっていません。」
次にやってきたのは陸軍とも関わりのあるギルドと呼ばれる場所だ。人が行き来し、ごった返している。昼間なのに酔っていると見られる人も少なくはない。
しかし、その人らの装備を見ると大体同じ様な装備である。そこから導き出せるに彼らは先の話題でも出た国民兵と呼ばれる者たちだろう。そこで疑問に思ったことがある。気になったので聞いてみた。
「国民兵とは?」
「王国時代は
成る程、人海戦術やゲリラ戦などの人を大量に使う作戦には強いと。ならばそれは避けなければならないな。我が帝国はそこまで人員が多いわけじゃない。もしこの様な戦いになるといくら国防軍、親衛隊とて分が悪いだろう。
「成る程、つまりは人員補給のようなものか。」
「そういう事になります。」
この帝国の制度は中々に興味深い。それ故危険性も高いことが分かった。バカにしていたがこれは我が帝国にとっても危険分子になり得る国である。帰国したらまず初めに
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