※Folge.7:戦争の足音①
それは突然だった。
―バァン!
「何じゃあ!無礼者がぁ!」
「ご無礼失礼いたします!急ぎの報告です!精霊森アルカディアの向こう側の半島に向かった我が帝国のパイロットが死亡。死因は敵機による撃墜とのことです!」
「何!?既に国が存在していただと!?」
ありえぬ!ありえぬ!ありえぬ!ありえぬ!何故つい最近のぽっと出の土地に国があり、しかも戦闘機などという文明の塊があるんじゃ!
「そのパイロットの最後の通信内容が”ドイツ国防空軍に接触した。撃墜を試みる。”というものでした。」
ドイツ?どこかで聞いたことが・・・・・・ま、まさかとは思うが儂の知っているあの”ドイツ連邦共和国”のことじゃあるまいな、いや寧ろそう合ってほしいこれがナチス・ドイツだともっと分が悪い。一番いいのは知らない国であることだが。
「もしかしたらそのドイツ国という国は儂が知っている国かもしれぬ。すぐに外交官を立てて公式な接触を実現させよ。後今回の報告に関する無礼は無き物とする。」
「誠に感謝いたします皇帝陛下。陛下の命は必ず。」
「頼んだぞ?もしかしたらお互いに外交官を立てるやもしれぬ。もしそうなった場合は相手をこちらの国に招待せよ。会談待遇でもてなす。」
「畏まりました!全ては帝国の永遠なる繁栄と栄光のために。」
報告しにきた彼は儂の部屋から出た。
「はぁ、戦争の香りが漂うわい。儂も若い頃は俺TUEE!で楽しんでいたんじゃがのぉ。今は年でキツキツじゃあ。」
転生してはや60年以上の時を過ごし、皇帝という一国の王という地位になり、子宝にも恵まれ、国家間の争いにも勝利し、これ以上無い幸せを享受できたと思ったんじゃが最後の最後で今生一の危険に襲われるとは・・・・・・事実は小説よりも奇なりとはよく言ったものじゃ。
しかし、この戦いに負けたどころかまだ始まってすら無い。仮に戦争が始まったとしても”あの”計画が成功さえすれば怒涛の快進撃を続けることが可能であろう。”あれ”にはそれほどの可能性を秘めている。
「一刻も早く”あれ”を成功させなければならない。アリスに任せっぱなしじゃ時間がかかるな。もう儂直々に計画を進めるか?いや、しかし・・・・・・」
難しい問題じゃ。
◆◇
「アリス様!例の実験に成功いたしました!」
「!?そっそれは本当なの?」
思わず驚いちゃったわ。まさか本当に成功するとは思わなかったもの。
「はい!魔力回路の安定化と原始龍ドラヘンカイザーの加護を持っている翼人から取った魔力を二倍にすると突然数値が安定し、そのままサンプルの抽出に成功。そのまま帝国宮廷召喚魔術士がサンプルを生贄に伝承通りの召喚術を行ったところ英雄クライツ・フォン・アルトバッハが顕現。現在彼に事情説明を行っているところです。」
「そのまま説明を続けて頂戴。私は彼に伝えに行くわ。ここからなら明日には帰って来れると思う。それまで彼をここに留まらせて。」
「了解です!」
さぁて、ここから”
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます