※Folge.6:神より与えられし我らの新大陸

どうも黒くて白色の赤いみかんです。

毎度のご拝読感謝申し上げますm(_ _)m

さて、タイトルを見て気づかれた方もいらっしゃるとお思いですが「※」がついている話はドイツ側の視点及びヒトラーの視点ではなく相手側の視点の話である事を表しています。一応「※」がある話を読まずにドイツ視点だけ見るということも可能です。(その逆も然り)読まなかった場合相手国の素性がわからないままドイツ側で顕になっていく楽しみがあると思います。そこら辺は読者様にお任せです。

長くなりましたが、この度もお読みいただき感謝です。

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その一報は皇帝である儂にいち早く届いた。


「陛下、精霊森アルカディアの奥にて新大陸が出たとの報告をヴァルトガイスト精霊教会の教皇聖下より情報が発せられました。」


「それは真であるか?」


突然の報告に儂は少々疑心暗鬼になった。いくら教皇が言おうとも今この世界情勢の中にそう言われては虫が良すぎると感じた。


「はい。真であります。」


「虚偽であるとそなたは首を落とされるぞ?」


「虚偽ではないので落とされても落としきれぬと思います。」


「ハハハ!よく言う。流石はメロディング公爵と言うべきであろうか。」


流石だ。肝が据わっている。


「して、詳しい場所は?」


「詳しい場所に関しましては精霊森アルカディアの向こうがわ一体に半島のように連なっていると確認いたしました。更に”少数”ですが人がいることも固有ユニークスキル千里眼ヘルゼヘンによって分かりました。」


「なんと、人が住んでおるのか。」


「ええ、確実に住んでおります。しかしいくら固有ユニークスキルだからといって全部見えるわけではございませんので現段階ではなんとも言えませんが。」


まぁ固有ユニークスキルを使用してそれが見えたのならば確実にいることだろう。


「まぁいい、豊地であるか?」


「それはわかりません。しかし、昨日まで確認されていなかったのでこれは精霊神が土地に飢えている我らに与えてくださった土地です、なので豊地であると思います。迅速に向こうの海軍国家に取られる前に行動するのが吉だと。」


「まぁまぁそう焦らずに。まずは下見をしてそれから考えれば良い。向こうの国はまだ気づいてないであろう。」


ここで焦ると返って痛い目を見てしまう。儂は先代皇帝のような轍は踏みたくないのだ。


「そうでございますね。差し出がましいことを・・・・・・申し訳ございませぬ。」


「謝罪は無用である。それよりも迅速に我が帝国最高機であるガイストゴット・アルカディアを出して下見せよ、今からならば2日後には到着するじゃろう。」


「かしこまりました陛下。今すぐに指示いたします。全ては帝国の永遠なる繁栄のために。」


「うむ。頼んだぞ。」


儂はそう言い、メロディング公爵が部屋から出るのを見届けた。


「もう良いぞ。」


「ウフフ、彼、案外”無能”なのかもね?」


彼女は薄ら笑いを浮かべながら言う。


「いいや、彼は無能では決して無いぞ、アリス、お主の見る目が無いだけだ。後その薄ら笑いをやめろ。せっかくの美人がじゃがいも・・・・・・いやこの世界ではバレイモだったな。になる。」


「あら失礼な殿下ね。それはそうとしてあなた”転生”して60年以上経つのにまだ前世を引きずっているの?てっきり忘れたのかと思ったわ。」


「そう簡単に忘れられるようなものじゃないんだ。世間話はもう良いだろう。そっちの計画はどうなっている。」


儂がそう言うとアリスは真面目な顔になり言った。


「生憎ながら順調・・・・・・とは言い難いわね。何回か試行しているのだけど全部失敗、そもそものやり方が間違っているのかもしれないわ。」


「そんなはずは無い。もう一度やり直せ、それで駄目なら根本から見直してやる。」


「分かったわ。文句言わないでよね。」


アリスはそう言い、暗闇の影に姿を消した。


しかし、この計画以前に”帝国主義時代”にこんな虫が良く我が国領の直ぐ側に土地が現れるモノだろうか。


もしかすると儂は未曾有のナニカに挑もうとしているのかもしれぬ。







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