Folge.5:敵機との空中戦

「”こちらPSW1099、絶対防空付近にて翼竜ではない戦闘機のようなものを感知。接近の許可及び撃墜の許可を”」


「”こちらBER777、PSW1099の接近、撃墜の許可。オーバー”」


Bf110が正体不明の機に向かうよう軌道を変える。


正体不明の機はまだ気づいていないのか、軌道を変えずドイツ国領空に向かってくる。


そして、


「*こちらDeutschland LuftwaffePSW1099、貴殿の機は我が領空を侵犯している。今すぐに領空から出るべし*」


「*こ■ら神聖■■■グ■ス■■Luft■■■、貴殿の機は■■■に■■?*」


「*今すぐ領空から退避せよ。しない場合武力行使に出る*」


Bf110は高度を下げ、”敵機”の下に潜り込み、機関銃を向けた。


「*こ■ら神聖■■■グ■ス■■Luft■■■。武力行使に■■■ら対■■る*」


その瞬間だった。


――グォォォン!


”敵機”が高度を急に下げた。


そして、


――ババババババババババババ!!!!!!!!!!!


機関銃らしき”モノ”をBf110に容赦なく放った。


シャイセ!」


Bf110のパイロットはそう言い、戦闘態勢へと入る。


高度を上げ、なるべく被弾しないよう動きながら敵機の背後に入るよう軌道修正する。


幸い敵機が古い機体だったのか難なく背後を取れた。


――ババババババババババババ!!!!!!


敵機に向けて機関銃を放つ。


敵機は必死に被弾しないようしているが小回りがきかないのか次々に被弾しており、エンジン、プロペラ、左翼が故障した。


敵機は螺旋を描きながら燃え盛る機体をなんとか持ち直そうとしているようだったがそれも虚しくそのまま森に落下していった。


「”こちらPSW1099、敵機の撃墜を確認。落下予想地点はPSW257.44.66付近。本機体は右翼被弾。被害は小だと判断、引き続き防空に務める。”」


「”こちらBER777、貴殿の戦果を称賛する。防空を引き続き任命する。オーバー”」


Bf110は何事もなかったかのように持ち場に旋回した。


◆◇


総統フューラー、PSWにて我が軍が正体不明の機体と交戦しました。」


ゲルハルトが儂に向かって言う。


「結果は」


「勿論ながら戦果を上げました。」


「流石だな、してその敵機の回収はできたのか?」


「はい、これがその資料になります。」


ゲルハルトは儂の前に紙を出した。それに写っていたのは見たことのないお世辞にも綺麗だとは言い難い歪な形をした機体だった。勿論交戦し、破損したからもあると思うがそれを抜きにしてもだ。


「相手の国名は分かったか?」


「はい。言語研究者が解読したところ、国名は――神聖ヴァルトグロス帝国とのです。」


やっと判明したな。これで事実的に宣戦布告もできるようになったな。

それにしても


「何だその神聖羅馬帝国ハインリヒ・ローマッシェ・ライヒみたいな名前は。もしかしたらWaldでもGrossくも無いんじゃないのか?プッw」


「「「「「「ダッハハハハwwwwwww!!!!!!」」」」」」


笑いが起こった。儂も笑った。


「まぁそれは置いておいて、こちらからは抗議文と外交官と”スパイ”のお土産を渡そうでは無いか。これから本格的に存在感をアピールしていかなければ舐められる。」


「私もそう思います総統フューラー。できれば我が親衛隊SSも付近に駐屯できればなお良いです。」


「クラウスも同じ考えか、よし、ならばクラウスよ頼んだぞ?」


「イエッサー総統フューラー


我が国に手を出したことを後悔させてやらねばならない。


この時の儂は少々相手国を舐めていたのかもしれない。これから先に起こることなんか知らずに・・・・・・



















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