Folge.3:現在状況①

―第三帝国もといドイツ国アーヘン大聖堂にて。


「我々ドイツ人は!ゲルマン民族は!この非常事態である今こそ団結し、勝利を収めなければならない!失った尊厳と誇りを今!取り戻し、ユダヤ人と共産主義者共に見せつけてやれねばならない!必要なのは金ではなく、団結力だ!いま一度言う、ドイツ人よ、ゲルマン民族よ!団結せよ!」


儂は病室で書いた台本を見ながら演説する。儂ながら良い台本をかけたと思う。

ほら、我が愛する国民たちが熱に浮かれてる。


「未憎悪の恐怖に縛り付けられるな!我が帝国ライヒは不滅である!今この世界は我らが知っている世界ではないことは明確だが関係ない。この世界のどんな国でも我が帝国ライヒは負けず、勝利するのだ!勝利万歳ジーク・ハイル独逸国ドイチュラント!」


「「「「「勝利万歳ジーク・ハイル!!!!!!!!!!!」」」」」


―――パチパチパチパチ!!!!!


鳴り響く国民の勝利宣言と喝采、拍手が大きいアーヘン大聖堂を、ドイツ国内を包む。


儂は会場の熱に包まれながら退場する。


儂はある男に一言放った。


「後は頼んだぞ。プロパガンダ宣伝担当、フランツ・ゲーデルよ。」


「ええ、後は任せておいてください。私が完璧に場を収めます。勝利万歳ジーク・ハイル


万歳ハイル。」


儂は会場を後にした。


◆◇


「さて、陸軍上級大将フリードリヒ・シャーフシュラークよ。現在のスイス地方の様子を聞かせてくれ。」


儂はベルリンの高級住宅街の大邸宅に軍務、武装親衛隊、ドイツ国防軍の上級位の者を招集した。


「はい、総統フューラー。現在、ドイツ国防海軍と協力しスイスがあった場所の偵察に行きました。すると約37マイル先に大きな陸地のようなものを発見。総統フューラーの指示があればいつでも軍を差し向けられます。」


「一応陸地はあると・・・・・・つまり、我ら以外の人と接触できる可能性があると。」


「ええ、そうなります。」


「分かった。とりあえず16マイルを国防絶対防衛圏とせよ。」


「「了解!」」


海軍上級大将であるヴィルヘルム・フロッテンシュタールはフリードリヒと声を揃えて言った。


「陸軍、海軍のスイス地方の状況は把握した。次に空軍上級大将のゲルハルト・ルフトシュラークよ。空の状況は?」


「はい。空は混沌と言っても過言ではありません。すでに翼の生えたトカゲ、つまりはドラゴンと呼ばれる空想上の生き物ですね。領空侵犯してきた物を約3400匹以上撃墜しております。こちらに翼と鱗の切り取ったサンプルがございます。」


そう言いゲルハルトは儂の目の前に青い石のような鱗と薄い布のような皮らしきものを出した。


「これがそのドラゴンのものだと言うのか?」


「はい総統フューラー。間違えございません。」


触り心地は鱗は石を触っているのと大差なく、翼は少しかたい布を触っているかの様だった。


「使用した機は何だ?」


「万全を出すため我が空軍最強機フォッケウルフFw190を一度だけ一機のみ動員し、戦闘力を確かめたうえでBF109Eを動員しました。」


「結果は。」


「フォッケウルフFw190に関しては勿論、BF109Eでも難なく対処できました。」


「ということはそこまで強くないんだな?」


「はい。寧ろ通常の戦闘機よりも安心できます。」


「ならば良いんだ。引き続き防空に努めよ。」


「了解!」


「さて、次に儂が知りたいのはソ連国境付近の森についてだが・・・・・・クラウスよ。詳しく聞かせてもらえるか?」


「勿論です、マイン・総統フューラー。」




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