第5話 失われていた友達との学校生活

『起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ』


が鳴る

この前のやつは効果がなかったと思うので、次はひたすら『起きろ』と言われ続けるやばいのにしてみた。


「……ふわぁ…うるせー」

アラームを止め、ベッドの上に座る。目をこすり、髪をグシャグシャして立ち上がる。

朝食を食べて歯を磨くと学校へ向かう。



いつもの時間、いつもの道―――

「よっ、愁斗!」

友達の隆輝が話しかけてくる

いつもの孤独ぼっちではない。

「ああ、おはよう」

隆輝と雑談をしながら登校する

いつもだったら友達と登校することなんてなかったが、これもいいなと思う愁斗であった

「今日からまた学校始まるぜー…」

「ああ、次の日記の場所はおそらく隣の市だから週末にならないと行けないな…」

神社へ行くのでも大変なのだ。

電車やバスに乗っていく必要があるため金もかかる。

週末までに金を貯めないと…

この前、次の神社へ行くために必要な料金を調べたところ、うんめー棒10本位の値段だった。

まだマシだが、神社を回るにつれてどんどん必要な金は増えていくだろう。

俺は考えるのをやめた



俺が考えるのをやめていると学校へ着いた。

「…ん?」

隆輝が何かを見つけたようだ

「なんだ?隆輝」

「ん?ああ、ほら、玲夏」

隆輝が見ている方を見ると、そこには告白されている玲夏がいた。

「アハハ、玲夏も大変だな!」

「そうだな、教室行こう」

「おう」

俺達はそそくさと去って行こ――――

「きゃっ、やめてください!」

「うるせぇ、さっさと付き合え!」

どうやら断られて怒っているらしい

「隆輝、助けに行くぞ」

「おう」

俺達は玲夏たちのところへ向かい

「あの…そこまでにしたらどうですか…?」

「そうだぞ、俺達はの友達に手を出すな」

くそ、隆輝のやつ俺がビビって言えなかったことを平気で言いやがって…! ……ずるい

「チッ、お前らには関係ねぇだろ!」

「いや、だから俺達は玲夏の友達だって…」

「そうだ、関係あるぜ!」

フラれた男はだんだん顔がトマトのようになっていく

恥ずかしさからではない、怒りからだ。

ちなみに言っておくとそいつは筋肉も隆輝くらいある、かなりいかつい奴だ。

何でそんな意味なさそうな説明をしたかと言うと―――

「うるせぇんだよテメェらァァ!!」

そんなやつがこちらに八つ当たりをしてきたからだ

ドギュシッッ

腹に拳が食い込む

「うぐっ…」

俺は倒れ込む

「愁斗!……お前ッ!!」

隆輝とフラれた男が取っ組み合う

「愁斗!大丈夫!?」

玲夏が近づいてくる

「え、ああ、うん」

「…えっ、そうなの?」

あ、やべ

「うぐっ…ホネガオレタカモ」

「えっ!?大丈夫なの!?保健室行く!?」

えーそれは嫌なんだが

ふと上を見ると―――

「――!!玲夏、逃げろ!!」

落ちていたコンクリのかけらを持ったあいつが玲夏に向かって――

「お前が悪いんだぁぁぁぁ!!!」

「愁斗!!玲夏!!」

隆輝が手を伸ばすがもう遅い

コンクリは俺たちに当た―――

らない…!

俺は玲夏抱えて横へ跳ぶ

コンクリは地面にあたってゴンッと音を立てる

「えっ?愁斗…?」

「ん?」

「えっ…あ、いや…なんでいきなり…」

あ、そうか

俺がいきなりから驚いたのか

「あー…ごめん」

俺は玲夏を放すと

「おい、お前…さっき何しようとしたんだ…?」

「…っ!お前らがうぜぇからちっと痛めつけてやろうと思ったんだよ!」

と言い落ちたコンクリを拾う

おそらく脳みそがどっかに消えたのだろう

かわいそうに…


だが友達を傷つけようとしたことは許さない

少し本気で殴ってやろう

「…そうか」

俺は足を踏み出し―――

「!?」

一瞬でヤツの目の前まで近づくと――

ドガッ

顔を本気で殴ってやった





――――――

あの一件で少し遅れて登校すると、あのことを先生に正直に話した。

それで先生は許してくれて一件落ちゃ――


「あの、これはどういうことですか?」

俺は先生に叱られていた

先生によると俺が本気の腹パンをしたせいで肋の骨が何本か逝っちゃったらしい。

だけどしょうがないだろう、あの一撃は俺が2年前くらいからずっと鍛えてきたのだから

「はい、すみません」


その後1時間くらい叱られて、授業が潰れた。やったね

――――――――


「いや〜愁斗お前、やるやつなんだな!」

先生の叱責から戻ると、隆輝が話しかけてきた。

「…なんのことだ?」

「いやなんのことって、あいつをぶっ飛ばしたときのことだよ!」

その話をするのはやめてほしい

「そうだね」

俺は脳死で返事をしていると授業の合図が鳴る。

やっと開放された


「これだから本気なんて出したくないんだ」

俺はぼそっと呟いた

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