第4話 失われていた中二病
翌日、俺達は3枚の日記を持って登校していた。
「いや…まさかあの『凪 玲夏』が中二病だったとはな…」
「ハハハ!俺もびっくりだぜ!」
いやまあそんなことはどうでも……よくないのだが、問題はそこではない。
「どうやって玲夏に話しかける…?」
そう、玲夏の周りには仲のいい女子がうじゃうじゃいるため、近づこうとすると排除されるのだ。
「危険なミッションになりそうだ…。」
「おう、生きて帰るぞ!愁斗!」
難易度S級ミッションには変わりないが、俺たちには Strategy(作戦)があるのだ。きっと大丈夫、あの最強戦法で――
「あの…凪さん?先生に呼ばれてますよ…」
休み時間、ついに作戦を決行した
「ああん?誰アンタ」
クラスメイト(しかも隣の席)に対して誰?とは失礼だな
「え、朝祈ですけど…で、凪さんが先生に呼ばれてますよ」
「……嘘でしょ?」
最強戦法、塵と化す
な、ナニィッッ!?こ、こいつは歩く嘘発見器なのか!?そうなのか!?
まさか失敗するとは思わなかったので頭の中が、鎌を持っている地獄の門番でいっぱいになる。
「え、あ、いや……」
「ほら、やっぱり嘘じゃねぇか…!テメェ玲夏に嘘ついといてただで済まされると思うなよ…!!」
ゴギャッッ
痛ってぇぇぇぇぇ!!!
ビンタなんて生易しいものではなかった。正拳突きだった。彼女の放った正拳突きは俺の肋へ食い込んだ。
―――あれ…?骨折れた…?
俺は後ろにぶっ飛ばされて……数秒意識を失った。
「――斗、大丈夫か?」
「…ん?ああ、隆輝か」
俺は折れたかもしれない肋を擦りながら起き上がると、席に戻った。
その後は授業が続き、昼休みになった。
次は隆輝が作戦を遂行することになった
これは作戦会議をしているときに出た案で、2回も同じやつが話しかけると変に思われるということだ
「じゃあ…いってくる」
「あぁ、死ぬなよ…」
何故クラスメイトに話しかけるだけなのにこんなに難易度高いんだろうか
隆輝は、【プランα】は失敗したので【プランβ】で挑む。
隆輝は凪の護衛役どもに突っ込んでいくと
「なあ、俺も交ぜろよ、そっちのほうが楽し――――ブハァァッ」
一発KOされた
あの筋肉ムキムキ野郎がワンパン……だと
隆輝は白目になりながら床に仰向けで倒れ込んでいる
俺はその場に膝を折って崩れ落ちた
まさか【プランβ】まで失敗するなんて思ってもいなかった…
もう、打つ手なしなのかッ………ハッッ!
頭に閃光が走る
「これなら…!」
ここで突◯ァー!!
テュールテューンチャーンチャチャーンタンラターンターララーンタララrrrタララタラランッ!!
「愁斗どうした…」
「フッ、完璧無欠な案を閃いただけさ」
俺は隆輝に作戦を説明した
「おお…それは作戦というのか…まぁ、試してみるか…」
チャイムが鳴ったので作戦決行は放課後にした
――――――放課後
ついにこの時が来た
俺たちは肩を並べ、凪の取り巻きへと近づき………
ドォォォン
土下座をした
「「凪 玲夏さんと会話をさせてくれェェ!!」」
この1年で1番大きい声を出した
そう、これが【プランγ:馬鹿正直】である
「なっ、アンタたち…!」
「「……………!!」」
取り巻きのリーダーが何か言おうとしたその時―――――
「分かりました」
凪 玲夏直々の判決が下った
「えっ!?いいの!?」
「はい、忙しくもないですし…」
「「ありがとうございます!!」」
やっと作戦が成功した…良かった
ガチャで天井までガチャ禁してようやくお目当てのキャラを入手できたような爽快感がやってくる。
俺達はホッと安堵した
―――――
どこかの空き教室で俺達はあの日記を出した
「玲夏、これを見てくれ」
「え…な、何でしょう…」
といって日記に目を通す
と、だんだん目が丸くなっていく
「えっ……これは…!」
「そう、これは全て事実だ」
それから俺達はこの日記について、まだ連れ去られ、あの世へ取り残されているかもしれない友達のことについて、詳しく話した。
「うん…私もその連れ去られた子については思い出せない…」
「やっぱり…」
まだあの世に取り残されているのかも…
「―――てことで、俺たちでまた友達になろうぜ!」
「…うん、私達は友達ね!」
「あぁ、改めてよろしく、玲夏」
――――――――
「お邪魔します」
「お邪魔しまーす」
翌日の放課後、俺達は隆輝の家でパーティーを開いていた。
友達記念と、日記について話し合う事も含めて
食べ物はアイスとかお菓子だけどそれなりに楽しめた
「あ、そういえば玲夏って何で今は中二病こじらせてないんだ?」
「いや…私今まで忘れてたんだ、中二病だったことも」
「まじか……てか、言っちゃうのかよ」
「あ……」
ハハハと雑談をしていると
「んじゃあまあ、本題に入るぜ」
「おう」「うん」
状況整理と、お互いに思い出したことの確認を行った。
「じゃあ、私も日記探すの手伝うよ」
「おう、改めてよろしく頼む」
「俺も、よろしく頼むぜ」
「うん、よろしくね」
俺は2人目の友達を取り戻した
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