第49話ボランティア
俺は霧崎の部屋から飛び出し息をきらしながら壁にもたれかかる
「はあはあ俺は正しくなかったのかな」
自分のことを好きでいてくれているのは分かっていたけどまさか助けたことが理由だったなんて
でも俺は分からない好きって気持ちが恋って気持ちが
こちとらまだ高校一年生だぞ
わかるわけないだろ
気持ちがぐちゃぐちゃになって頭までぐちゃぐちゃになってわけわからなくなるし
どうするのが正解かなんてわかるわけないだろ
そもそも人生に正解なんてないって?
そんなの知っているに決まってるでもなあ無理にでも出さないといけないから人生なんだろ
人生は物語だ
時間は勝手に進む
俺が答えを出したくなくても物語だから人生だから小さな問題はほったらかしにしても許されるけど大きい問題は絶対にどんな答えでも出さないといけない
時間も許しちゃくれない
誰か助けてくれよと強く望むけどその望みが叶うわけない
人生は物語だ
だが物語みたいに上手くいかないから人生なのだ
えっ全部アニメや漫画の決めゼリフではないかって?そのとおり
だってそもそも人は影響をうける生き物なんだからいつの間にか同じ言動をしてしまうのは普通だろ
「あれ?どうしてこんなところにいるんですか」
俺が廊下の途中の壁にもたれかかっていると十川が話しかけてくる
「別にそっちこそどうしたんだ」
「いえあなたに言いたいことがあったのであなたの部屋に行くところだったんです」
「そうかそれで用はなんだ」
「むかし言ったでしょう世界平和のために尽力したいと」
「ああ言ってたな」
「だからボランティアを一緒に行きませんか」
「分かったがどんなボランティアなんだ」
「別にむかしわたくしがやっていたようなことをやるだけです」
「いや知らないんだが」
「貧困に苦しんでいる人たちを助けるボランティアですよ」
「おうじゃあ五人で行くか」
「まあそうしますか」
「それでそのあとどうするよ」
「少し寄りたい場所があるのでそこに行きたいです」
「分かったよならそうしようか」
これが俺たちにとって一番最初の困難の始まりだったのである
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