第48話霧崎苺の気持ち

俺は霧雨苺から部屋に来るよう言われる


なぜかスマホで


疑問に思った俺は


「なんで直接言わないんだ」


そう聞くが返事は返ってこない


だから仕方なく言われた通り部屋にきたのだが


「おいなんだこの汚部屋は」


「だって片付けるのめんどくさいんだもん」


「もんじゃないわ」


「怒らないでください泣きたくなるんで」


「怒ってない」


「本当に?」


「ああ怒ってないよ」


「それでえとあっそうだ怒るってなんですかね」


「急に賢者タイムになるんじゃない」


「賢者タイムとはなんですか」


尋ねられた俺は答えることが出来ずに目をそらす


「うわあそういうことですかあ」


そして俺の反応で理解したのだろう霧雨苺は俺をいじってくる


「やめろ」


俺はからかわれるのがいやだから拒否しようとするけど


「あとそもそも賢者タイムの使う場面ではなかったと思いますよ」


「おいごらやはり意味分かっているんじゃないか」


「あっやべバレた」


そういってわざとらしく口を抑えるまねをする彼女を見てなぜだか笑いが込み上げてくる


「どうしたの?」


「別にこんな関係になれてよかったなと改めて思えたただそれだけだよ」


「ぼくとしてはこの関係はまだいやだからね好きだって気持ちをそう簡単に忘れるわけない」


「そうか……でもさイケメンだからってなんでそこまで好きで居続けることが出来るんだ」


「……うん?えっ分かっていないのかい」


「なんの話しだよ」


「女性の気持ちを分かっている系の男子としてそれはないと思うよキャラ崩壊ではないか」


「キャラ崩壊とかメタいことをいうな」


「そんなにメタいかな」


「別に分からないよ」


「そう……ねえ分かっていないみたいだから言うけどぼくが好きになったのはイケメンだったからじゃない君がいじめられていたあの時にぼくは君を好きになった」


「なんでだ」


「だってぼくを助けてくれたから」


ようやく長い時間をかけて俺は彼女の霧崎の気持ちを理解する


ああなぜ気づかなかったのだろうか


「ごめん」


霧崎は顔を横にふる


そして俺を押し倒してくる


「なにを」


「お願いぼくと……浮気して」


俺はなにを言われたのか理解するのに時間がかかった


だがだんだんと心に染みてきてその言葉を否定しようとするが


「おむっっ」


俺の唇に霧崎は自信の唇をあわせることで俺の言葉を防ぐ


そのキスは今までやってきたような短いキスではなく長く時間を忘れてしまうぐらい長いキスだった


俺は無理やり霧崎の唇を離す


「むはっやめてくれ俺は」


「だって好きなわけじゃないんでしょ形だけの恋人ならさいいじゃん」


「そうだけど」


俺は十川のことが好きなわけではないはずだ


「でも……やっぱり答えることは出来ない」

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