第40話幼馴染みの短冊
俺は如月三久の短冊を見ていた
「どんな願い事を書いたんだ」
「別に」
「教えてくれてもええやん」
「それならそうですねボウリングをみんなであとでしたいです」
「急にどうしたんだ」
「いえ」
如月三久は星空を眺めながらこう口にする
「いつかこの関係もなくなってしまうかもしれないでしょ」
「なにをいってんだずっと……いや確かになそういえばお前とも一度縁が切れたんだな」
「あのときやった約束のおかげなのかは知らないですけどもう一度奇跡的に縁が巡れただけですけどね」
「お前が有名女優になれたからだから出会えたのはお前が努力し続けてくれていたからだな」
「いえあなたが約束を覚えていてくれたからなのもありますよ」
「相変わらず優しいな」
「別に普通ですよ」
「それで話しがそれたけど願い事はなんだ」
「ええごまかそうと思ってたのに」
「わざとだったのかよ」
「マジで信じてたんですか」
「信じてないと思ってたんですか」
「……」
「……」
「そろそろ本題に入ってください」
「お前が言うのかよ」
「どうでもいいでしょ」
「なんでそんなに言いたくないんだ」
「だってしょうもない願いだから」
「願いにしょうもないとかないだろ」
「いえありますよだって他の三人の願いを聞いてたらなんだかみんなそれぞれ自分の守りたいものややりたいことがあるのに」
「俺だって守りたいものもやりたいこともないぜだからそれを見つけたいって願っているんだしな」
「それはそうですけど」
「だろだからさ聞かせてくれよ」
「分かりました願い事を言いますよこの失恋を忘れますようにって願ったんです」
「そっか俺が前恋人が出来たって言ったのがいやだったんだな」
「ええ本編でその場面は出しませんでしたが」
「おい急にメタいことをいうな」
「別にいいでしょ」
「なんだか今日は冷たいなあ」
如月三久が涙を流しながら胸を抑えて俺に訴えてくる
言葉は嗚咽混じりで聞き取りにくかったがなぜか俺にはその言葉が聞こえやすかった
「だって好きだったのに未練がすぐになくなるわけない」
「……あんな」
俺はなんだかむずかゆくて頭をかきかきとやりながら
「俺はまだ好きって気持ちが分からない守りたいから付き合っただからさ他の人のことをすきになるかもしれない」
「むうもうそんなことをいったらかわいそうですよ」
「えっ泣いてたからフォローのためにいったのに」
「余計なお世話ですでも嬉しかったですよだから楽しみにしててくださいね」
そういって笑う彼女の顔は涙で顔が赤くなり無理やり作った笑顔はどこか強がりででもそんな彼女が友だちとして好きなんだよな
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます