第35話三人

俺は十川と祭りに戻ってきてからりんちゃんに付き合ったことについて話しをした


「ええ分かってたわ」


「なんで?」


「だってずっと一緒にいたじゃない空気が二人のものになったから自分から離れたけど」


「分からなかったすまない」


「別に僕は良いけど他の女の子にはやってはいけないからね傷ついちゃうから」


「ああ分かってる」


「分かってるならきちんとしなさいぼくのつかえる人なんだから」


「えっ?」


「だって相沢は僕にとって支える人でその人の恋人になったわけでしょ」


「そうだがあとさ意外なことを思ったことを今思ったんだがもしかして名前を呼ばれたことなくね」


「ああ意外とそうかもしれませんねではなんてお呼びしましょうか」


「山村凪ってフルネームで呼んでくれよ」


「ええ良いですよ山村凪」


「むうなんだか仲が良いのは良いんですけどやはり嫉妬心が勝ちますね」


「あはは嫉妬をしたのは僕ですかそれとも」


「どっちもよ」


「嬉しいです」


「よしよし悪いな」


俺は十川の頭を撫でる


「頭をなでないでください」


そういって撫でていた手を叩かれる


恋人よりも自分の子どもみたいな気持ちになって不思議な気分だ


「あはは可愛いな」


「そんなに可愛いですか」


上目使いに言われて俺は


「ああ可愛いよ」


「むうそれって女としてじゃなく子どもに思う気持ちですよね」


「あははバレたか」


「分かりますよ本当はまだ守るために付き合っただけでわたくしのことを好きじゃないことも」


「ああバレてしまったか」


「そりゃ恋人ですから」


「魔法かよ」


「ええ魔法みたいなものです」


なんだか恋人よりもこうやって冗談を言い合える関係の方が好きだなあ


そんなことを思うが恋人として守ると決めたのにと思い頭を横にふる


「そうだ話がそれましたがいうことがありました」


「おうなんだ」


俺はこのとき油断をしていた


まさかあんなにもキュンと来る言葉をいわれるなんて


「わたくしはあなたを惚れさせますだから好きじゃなくても大丈夫ですよ」


そんな決意の目が俺を見てきて俺は思わずカッコいいと感じた


ああそうだよなイケメン女子だもんな


りんちゃんが話しに入ってくる


「ああそうだ僕も付き合うって話しですが今は二人の関係を楽しんでくださいいつか僕だけのものにしてみせるので」


「それってやはり好きってことだよな」


「ええまさか気づかなかったんですか」


「いやなんとなく察してたよ」


「そうですかならさっさと隙をみせてくださいよ告白をするタイミング逃してしまったじゃない」


「いやタイミングたくさん合ったと思うぞ」


「ぶうぶう女の子の言葉を否定するのは失礼ですよ」


「全部肯定する男子も面白味がないだろ」


「まあそうですけど」


「ねえまたわたくしのことをおいていかないでくれませんか」


「ああ悪い」


「わざとやってませんか」


「いやいや違うよ」


「そうですかなら良いですけど」


「おうよ」


「それで恋人になるとかなんの話しですか」


「ああ十川を恋人にしてあげてって言われててな」


「そうなんだ……啓介ありがとうでもねたぶんわたくしのことを自分が付き合うための理由に使うのはダメだと思うわ」


「そんなことは……」


「まあどうでも良いんだけどねそれでわたくしの恋人を奪い取るって話しだけどやってみなさいでもわたくしが絶対に取らせないけど」


「ええ分かっておりますですから奪い取られないようにしてくださいね僕以外にも」

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