第34話告白

俺たちは屋台を回っていく


「なあなあ二人っきりは楽しいよな」


「それって」


「おう俺様は凪くんが好きだからな」


「はあ気持ちに素直すぎるだろ」


「ストレートなのが俺様の良いところだからなほらほら行くぞ」


十川が俺の手を繋ぎ引っ張ってくれる


十川はどこまでも連れていってくれるのかもしれない


そんなあり得ない想像が思い浮かんで俺は顔を横にふる


「ああじゃあどこへ行くよ」


「えへへあのねきれいな流れ星が見える場所があるのだからついてきて」


「分かったよ」


俺たちは丘にたどり着く


丘から眺めた星ぼしはきれいで七夕祭りでりんちゃんと見たときとは全然違った


俺たちはベンチに座る


「きれいだな」


「うんきれいでしょ最高でしょ」


「ああ最高だ」


俺たちは肩を合わせる


そしてやがて手が重なり恋人繋ぎをする


「えへへなんだか恥ずかしいな」


そういって笑う彼女の顔は男らしいいつもの顔ではなく可愛らしい顔だった


十川はベンチから立ち上がる


十川は俺の方に振り向きキラキラと輝く満面の笑みでこう口にしてくる


「改めて言うぜ俺様の気持ちいやわたくしの気持ちを」


そういって少しだけ間が空いたあと


「好きです付き合ってください」


力強く告白をされて俺は少しだけ戸惑う


だが俺は彼女を守るために「はい」そう答えるのだった


だが俺は知らない


恋をすると言う覚悟が必要になる時が来ることを


「なあ目をつむってくれないか」


俺は十川にお願いをする


十川は目をつむりなんとなく分かったのだろう少しだけ俺の方に顔を近づけてくる


俺は唇と唇を近づけていく


そしてやがて合わさりキスをする


初めて自分からキスをした


そのキスはなんだかいつもより緊張してどんな感情だったかも良く分からなくてでもああこいつを守らないとそう思えた


浴衣は面積が薄いがために十川のメロンが自分の体にダイレクトにぶつかってきた


キスをするときに十川の鍛えられた肉体が当たる


どれだけ努力してきたのかよく分かった


でも俺よりも小さい肉体であることがポッキリとおれてしまいそうな気もした


でも恋人になるってことは守りたいだけじゃ駄目のはずだ


好きになる必要が出てくる


俺が本当に十川を好きになることはあるのだろうか


そんなことを思いながら俺は十川から離れる


「俺も好きです」


そんなウソをいつの間にか呟いていた


いつか恋をしたいという自分の気持ちが果たされる時は来るのだろうか


俺たちは一緒に歩んでいくどれだけの危機が待ち受けているのかは知らない


だが俺は十川を守り抜く


そうこの日決めたのだ

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