第28話織姫と彦星

俺がみんながわいわいと楽しそうにしているところを遠目から暖かな目で見ていたら


「なにを気持ち悪い目で見ているんですか」


りんちゃんがそう毒を吐きながら俺のとなりに座ってくる


「いや気持ち悪くないからな」


「はいはいそうですね」


「やめろ泣きたくなるから」


「それでどうしたんですか見つめたりして」


「急に話を戻すな……まあいいや別に単純にこんな日常を送ることが出来て良かったなと思えただけだ」


「ええたしかに」


俺たちは霧雨苺がヨーヨー救いを割って水で自信の下着が見えてしまってそれを如月三久が隠そうとした


相沢十川がそんな二人を見てバカにすると霧雨苺と如月三久は怒るそんな姿をなにも言わず見つめる俺たち


「なんだか親になった気分ですね」


「まあな三人とも子どもみたいな性格してるし」


「きりさめさんたちのことを呼んでもらえて嬉しかったです」


「なんでだ?」


「だってあんなに嬉しそうな相沢を見たことがありませんから」


「そうかいそれはよかったよ」


俺たちの間に少しの沈黙が流れて


「織姫と彦星って知ってますか」


「ああ星空に現れる夜の大三角の一つみたいな感じだったか」


「覚えていないんですね……織姫と彦星って年に一回しか会えないんですよ悲しすぎませんか」


「ああそうだなでも仕事をサボっていたことが原因だから案外自業自得だけどな」


「まあ言いたいことは分かるけどやっぱり悲しい恋だと思うよ」


「悲しくはあるな」


「……なんの話しですかこれ」


「七夕だから七夕らしい話しをしようと思ったけどボキャブラリーがなさすぎてこんな感じになった」


「ではボキャブラリーの話しをしますか」


「いやなんで七夕でよりにもよってボキャブラリーの話しをするんだよ別に普通の日で良いだろ」


「あははそうですね」


「てきとうに答えられたら泣きたくなる」


「なんでですかめんどくさい」


「めんどくさいはマジできついからやめて」


俺たちは話しを終えると少しの間沈黙が流れる


「そうだあなたはなにか願い事がありますか」


「あるけど?」


「僕にもありますその願い事を叶えてはくれませんか」


「いいけどなんだその願い事って」


りんちゃんは俺に無言で顔を近づけてくる


もしかしてキスをされるのではそんな考えがよぎる


あれ?これ告白をされるのではそんな期待が俺の中で流れてしまい頭を横にふる


なにを考えてんだ


「お願いがあります相沢と付き合ってくれませんか」


「は?」

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