第27話七夕祭り

俺たちは七夕祭りにやってきていた


「なあなあこれ脱ぎたいんだけど」


そういって浴衣を脱ごうとする相沢十川


「もうそんなことをしたら変態さんとして捕まりますよ」


りんちゃんは浴衣の姿で相沢十川が脱ごうとするところを止める


「二人ともなんだかいつもと違うよなどうしたんだ」


「いえ久しぶりに祭りに来たのですごく楽しいんです」


「おう俺様もな」


「へえあとさ遅くね」


如月三久と霧雨苺を俺たちは待っていた


だが、三十分たっても来ないので心配になってきた俺は


「すまない少し見てくる」


「うんじゃあ待ってる」


「行ってこい」


そういって俺は急いで如月三久の家まで行くのだが


「なにすんのよやめて離して」


「おいお前ら彼女が傷ついてるじゃないか」


「うるせえなあつうかよこいつも可愛くね」


典型的なクズ共にナンパされていた


「はあ」


俺はため息をつき前へ進む


そしてナンパ男が如月三久を掴もうとした腕を掴んで逆方向にねじ曲げる


「いたいたいなにすんだ」


「こっちの話しだなにをしてるんだ」


「はあなんだよお前には関係ないだろ」


「いや関係あるね」


「じゃあどんな関係だよ」


俺は如月三久の腰辺りまで腕で掴み自分の方に引き寄せてこう宣言する


「幼馴染みだ」


「じゃあそいつは」


霧雨苺を指差されて悩む


友人といえるほどに仲が良いのだろうか


だがまあそんなことを悩んでいる暇はないか


俺は霧雨苺を自分の方に引き寄せる


「友人だ」


「聞いて思ったが恋人じゃないなら関係ないじゃん」


「二人も誘うなんて最低だろうが一人にしろ」


「あの今言うことではないかもしれませんがブーメラン刺さってますよ」


如月三久がなにか言ってきたが俺は無視をする


「なら分かったよ一人にする」


「分かった?なんか偉そうだからやり直し」


「いやそんなルールないから」


「うるせえ」


なんだかナンパ男と喧嘩始めた俺はめんどくさくなって二人の手を掴み逃げだす


相沢十川たちのもとまで二人をつれて戻ってきた俺はナンパ男が追ってきていないか後ろを見る


「助かったありがとう」


「着てくれてありがとう嬉しかった」


「おうどういたしまして」


「それじゃあ今度こそ祭りに行くか」


俺たちは七夕祭りに今度こそ入っていく


「俺様はたこやき食いたい」


「ぼくわたあめがいい」


「霧雨さん可愛らしいものが好きなんですねちなみに僕はりんご飴が良いです」


「りんご飴も可愛くない?わたしはヨーヨーすくいがしたい」


「ヨーヨーすくいは子どもすぎない?」


「うるさいですよ」


色々な色の浴衣を着た四人の女の子たちが俺を中心にそんなことを口々に言ってくる


昔じゃ考えられないぐらい素敵なこの日常がいつの間にか俺は大切になっていた

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