第20話せかおわ

「うんやっぱり好きだよこの気持ちは世界が終わってもきっと変わらないだから付き合ってください」


それは霧崎苺が主人公の娘役として出たせかおわって作品の主人公がいった言葉


でも俺にはその主人公の気持ちはよく分からなかった


なぜそこまで人を好きでいれるのか


俺はきっと恋をすることはないのだろうと


半ば諦めていたことがあったが俺は努力をした


その結果俺は恋を理解できなかった


俺は霧雨苺と隣でもたれかかりながら座る


霧雨苺の髪が鼻をくすぐるほどに近い


甘い香りが鼻をくすぐり俺は無理にでも霧雨苺が女の子だと分かって男友達みたいな今の関係がウソみたいにさえ感じる


「いまだに初恋をしたことがないんだよな」


「どうしたの急にそんなことを言って」


「いやさ昔の思い出話しをしてて思ったんだけどよいろんな人に恋をしてもらえるぐらいイケメンになれたのに俺自身は一度も恋をできていないなと思えてさ」


「しなくても良いのでは」


「いやだな俺は恋をする気持ちが分かりたい」


「分かったところでなにか変わるわけじゃない」


「でも変わることを望まないと前へ進めない」


「良いことを言った風ですけどダサいですからね」


「いやダサくないから……ダサくないよね?」


「知らないですよ聞いてこないでください」


「お前が言ったんじゃん」


「……なんのことですか」


「忘れたのならば頭を叩いて直してやるよ」


「え最低です」


真顔でマジなトーンでそう言われて俺は


「なあなあひどくない普通に傷つくんやけど」 


「あとさ恋ができないって言うけどぼくに恋すれば良いよ」


「それは俺を女にしてだろ」


「うんそうだよ」


「やだよ」


「いやならぼくが良いと思えるように努力をするのみさ」


「そうだなあこうやってかな」


そういって


「「 」」


一瞬の間が永遠に感じるぐらいのキスを俺たちはした


「え?」


今キス、キスした?二回目のキスも突然すぎてよく分からなかったんやが


顔が暖かくなり顔全体が赤くなっていることが俺はわかる


「可愛い」


ああこれリアクションを楽しまれてるだけじゃね?


「バカにするんじゃないわ」


「バカになんてしてないよ」


「してるだろ」


顔を横に降り彼女はいつもの笑顔で


「初めての恋だからさぼくなりのやり方でやってみせるよ」


霧雨苺は手で銃のかたちを作る


「バァンってね」


俺は銃で心臓をうたれた感覚に陥る


そして、周りに花がさく


そんなあり得ないものがなぜか見えた


「来世までに幸せにしてみせるなんて言葉は嫌いですだって今世で幸せにすれば良いと思うから」


霧雨苺はそれだけじゃ止まらず片ひざをつき俺の方に右手を向けてくる


「だからぼくと付き合ってください」


「でもまだ好きじゃないよ」


「まだということはチャンスあるということでしょ」


「そうなるのか」


「ならぼくがおとすから絶対に」


俺が彼女を女にするのかそれとも彼女が俺を女にするのかの恋愛頭脳戦の始まりである

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