第19話虐待

なんで虐待されている現場を見ることになったのかそれは俺が


「悩みを解決してもらったから手伝いをしたいなにをしてほしいか教えてくれ」


「いいよでも後悔することになるよ」


「そう言って自分だけ秘密を隠すつもりなんだろそうはいかないからな」


俺は出来るだけ話しやすい雰囲気で言ったつもりなんだが


「いやそう言うつもりではないんですけど」


「正論をぶちまけられて悲しくなってきたぜ」


俺は顔を隠すポーズをとる


「なにを言ってるんですか」


「ふっ知らないぜ」


「はあなにを言ってるんですか話を戻しますよ」


「はいよ」


「ぼくはね母親に女であれと言われてでも自分は男として生きたい」


「なら自分の気持ちに素直になればええやん」


「だけど怖いんだよ前かっこいい服をきたらそんな服を着るなと言われてね」


「古くさい考えを持つ母親だな」


「うん古くさい考え方だよね……でも裏切れないんだ」


「裏切れない?」


「ここまで育ててくれたのにこれ以上迷惑をかけたくないってことさ」


「ふうんならさ俺も手伝うから母親と話しをしなよ」


「話しを聞いていたかいぼくは現状に満足をしているんだよ?」


「ならなんでそんな悲しそうな表情をしているんだよ」


やがて彼女は気づき顔を抑える


だけど涙は止めどなく流れて


「なんでちがぼくは」


「そんなに隠す必要性ないだろ」


彼女は数秒間黙った後


「……ああぼくは母親に理解をしてほしい自分の気持ちを分かってほしい」


その言葉は嗚咽が混じった本心だった


胸元を抑えながら必死に彼女は言葉を口にする


「分かったなら行くぞ」


俺は彼女のお家に入れさせてもらい母親と対面する


「あらあら友だちいつも連れてこないから心配だったけどやっと友だちが出来たのね」


「もうそんなこといわないでよお母さん」


なんだか普通の親子に感じるけど


「ねえお母さんぼくは女らしい格好じゃなくて男みたいな格好が良い」


母親は雰囲気が一気に変わり


「なんでそんなことを言うのわたしの言うことをなんで聞いてくれないのねえ」


ヒステリックにそう叫ぶ母親を見て俺は恐怖を感じた


普通の母親がほんの少しのトリガーを押されると豹変して自分の愛しているはずの娘を追い詰める


「そんなのダメに決まってるだろうが」


俺はそれがいやでいやでだから怒る


「なんで仲良さそうにみえたじゃんなのになんで愛しているんじゃないの」


「ええ愛しているわそれにあなたはこの問題に関係ないでしょ」


「ああ関係ないよだけど俺は主人公だ」


「それ関係ないでしょ」


俺はたくさん自分の言いたい気持ちを言って彼女に任せることにする


「それじゃあ俺はこれでかえるから」


「なんで他人であるぼくの問題にここまで真剣に答えてくれたの」


「そんなの俺が気にくわなかったからだ」


俺は家から出ていったあと彼女の名前を聞いていないことに気づく


だがいつか縁があればまた会うだろう


そう思い別の道を歩む


だがこの後再会をしたのに全く俺は気づかなかったとさ

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